弟子のSです

武術の稽古日誌

武術ゆく年くる年

今年一年を振り返って、自分のしてきたこと、師に言われたことを反芻し、新しい年へ繋げようと思います。
2月 武術の稽古を始める。 まず守る自分がなければいけません。空の金庫を守っても仕方ないでしょう。
3月 弟子になる。「強さのフローチャート」*つくる。次々明らかになる師の才能に時折苦しくなる。後に嫉妬という感情だと悟る。
4月 稽古時間の短さや性差に悩み、読んだ本の影響から合宿に憧れる。 同じ釜の飯や同じ性別などどうでもよいことです。
5月 下手くそな自分が道場でどう見られているかが気になる。 体裁を整えようとするのは、Sさんの悩みの原因の核だと思います。
6月 先行きの不安。 起こってしまったことに関しては、淡々と最善手をさしつづけるしかないのです。もっと稽古に集中しなさい。
7月 武術を通した人との交流をしきりに勧められ混乱する。 私はひきこもりを作るために稽古をつけてるんじゃありませんよ!
8月 爆発する。 人の話を正しく聞き、正しく理解してください。強くなりたいと思う前に、人の気持ちの分かる人間になってください。
9月 師を目指してはいけない、の意味がわからない。 苦しいと思ったら稽古をしなさい。答えは私ではなく武術に聞いてください。
10月 質問の仕方がわからず師に対し失語症になるが復活。我執を去り、論理的思考を培うべくブログを開設。
11月 組手中にひざの半月板と靭帯を痛め、現在に至る。
*強さのフローチャートとは、強くなるための方法と順序をまとめた自作のガイドライン。今思うと論理的思考の稽古の始まりであった。 稽古を始めた2月に、すでに師は「自我の確立」について言っておられますね。 ノートを見てみると、その頃の私の関心事は「型稽古と組手のどちらを学んだらいいか」「仮想敵は誰なのか」「段位はいらないけど、何かめあては必要なのではないか」等々。 それらについて今の私が答えるとしたら、 「型稽古と組手のどちらを学んだらいいか」→組手を想定しない型稽古はないし、逆もない。 「仮想敵は誰なのか」→仮想の二文字を取ること。 「段位はいらないけど、何かめあては必要なのではないか」→何の野心もなく 終りに向かって歩く。by早川義夫。 Sさんはわざわざ悩みをつくってる、と師に言われますが、こうしてみると確かに、毎月何かしらのことでつまずいている。8月に師が困った態で「ホルモンのせいかなあ・・」と呟かれたのが印象に残っております。申し訳ない。与えられる課題に対し精一杯のことをしてきたら、こうなりました。根気よく向き合ってくれた師に応えて、いい弟子になりたい。 目下の関心事はひざのケガだけれども、治すことに集中はしても、是が非でも治りたい!治らないと困る!というのは我執だと思うので気をつけます。恐怖を制御するのは智恵だとのこと。春が来る頃、どんな形ででも今より賢くなっていられたらいいと思います。 年は改まり、修行は続く。皆様よいお年をお迎えください。