弟子のSです

武術の稽古日誌

師の問いに応える2

以前出された宿題にずっと答えられずにいたものです。その後いろいろ見聞したので、まとめてみます。

問い:

太極拳では、ゆっくりの動作が有効なのはなぜですか。

答え:

揺らがずにニュートラルでいるためには、身体のコアがしっかりしていることが必要です。赤ちゃんはコアを使ってしか動きませんが、大人になるにつれ無理な姿勢でも耐える・踏ん張ることができるようになってしまい、これはコアを意識する上で障害になります。

身体のコアを意識させるために、ゆっくり動くことが有効です。速く動く・反発にまかせて動くなど、勢いに頼っていると理にかなわない不安定な姿勢もできてしまい、その結果コアが意識できなくなるからです。太極拳の動作をゆっくりと行うのはそのためです。

ニュートラルな自分が頼るべき唯一のものは身体のコアであり、勢いに頼ってはならないということは、逆に言えば、勢いにまかせてくる相手は攻略しやすいという理屈になります。相手の勢いをこちらが利用できますし、コアが不安定なので崩しやすいからです。