弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

「で、俺はよく分からないんだが、君がなろうとしている武術家ってのは、出来上がった家電を便利だなって使う側の人間なのかい? それとも、開発する側なのかい?」 「!!」(『師匠と弟子』) 4週間ぶりの90分稽古。 前回まではひざが徐々に良くなっている、という前提で稽古していたが今日からは違う。片足の柱がなくなったことに決定したので、その新たな条件のもとで戦うための方法を身につけていく、という、考えようによってはとても創造的で面白い稽古だった。時折さざ波のように寄せてくる「ケガしてなかったらよかったのになあ・・」という悲しみが邪魔くさいけど、それは詮無いこと。 左足がんばれるかな、ダメかな、ではなく完全に「右足メイン・左足サブ」の戦い方にシフトする。それも、師に提示されるものをマスターするだけでなく、これからは(今までもそうでなければいけなかったんだけど)何かを教わった時に、それを自分向けに応用することを自分で考えなければならない、と言われた。出来上がったものを押し頂くのではなく、開発する側になること。 腕振り。楼膝拗歩〜手揮琵琶を基本にした歩法。合気揚げ・刀捕り。単推手。双推手。寝技。組手。 稽古は全編、ひざ(特に左ひざ)を守るというテーマに貫かれていた。ひざにかかる荷重を減らす・床を踏みしめる力を逃がす・左足にかかる力をかわし右足でフォローする・早めに受身をとる、等々。組手の時の構えもこれからは逆にして、右足で踏ん張るようにする。左足後ろで構えるより気持ちの上でずっと楽だ。 稽古後は、どうぶつ将棋。将棋には武術の感覚を養成する要素がある、と師もブログに書いておられたけど実にほんとうだ。どうぶつ将棋における私の弱点の一つは「詰んだかどうかがわからない」。それで組手とかでも無駄に痛い目を見る。詰んでるのがわからずタップが遅れるから。 まあ、最大の弱点は「勝ち方がわからない」ということで、こんなに勝てないのはもはや神秘だと思うのですが、全敗ではなかったとだけ記録しておきます。 ひざは熱もなく、特に腫れてもいない。スポセンに戻ってこれてよかったな。 「おじさん! ありがとう。僕は立派な洗濯機を作ります!」