弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

武術90分。3か月ぶりの剣術。

素振りに足をつける。居合2種。長刀vs短刀+長刀。長刀vs短刀。長刀vs素手。八方斬り。

居合は刀の柄を右手で取りにいかず、柄のほうが右手にいくように胴から下でコントロールする。あとは刀の先が自然な弧を描くように、これも胴から下を使うことで鞘から抜いてやるんだけれども、これが・・・・抜けない!

刀の意に添ってあげたい、鞘から解き放ってやりたいという気持ちはやまやまなのだが、なにしろ抜けないのだった。これで時間を半分くらい使った。

後半、向かい合っての稽古は、離れた所から近づき、間合いに入ったところで相手の起こりを読んで立ち合う。どこも何も見るな、と繰り返し言われる。じゃあ何を見るのかと言えば、気配?そんな感じの何か。「見る」ではなくて「観る」。

目の付けやうは大きに広く付くる目也、観見二つの事、観の目つよく、見の目よはく、遠き所を近く見、ちかき所を遠く見る事、兵法の専也。敵の太刀をしり、いささかも敵の太刀を見ずといふ事、兵法の大事也。工夫有るべし。(宮本武蔵五輪書』)

観の目のある人の前では、ない人は実に「デクノボー」だ。それに、立ち合う前から格上の人は格上な空気が出ているので、場の支配力で、すでに勝負がついている気がする。

剣術は難しい。他の何かに応用して役立てないと、ただの「ダメダメ」で終わってしまいそうだ。

稽古が終わってから師が、将棋盤が欲しいのでリサイクルショップに寄ると仰る。そんなに都合よく売ってるものかしらと思ったが、あっさり入手。師の場の支配力は半端ない。そしてそのまま対局することに・・・。先週読んだ『やさしい入門将棋』と『ぼくらの詰将棋入門』の一手詰め問題集のおかげで、飛車角落ちでは負けなかった。ハンデありでも初陣を飾ったのが気分よく、今日はこのまま家に帰してほしいと強く訴えたが、ハンデなしで再戦させられ、果たして完敗。

それにしても、自分に将棋が指せるようになるとは思わなかった。師の提案には騙されたと思って乗ることにしているけれど、内心、こんな複雑なゲームは自分には金輪際縁がないと思っていた。

栃木で震度5強地震。東京はいま「震災前」なんだということを思い出す。