弟子のSです

武術の稽古日誌

適切に、なんにもしない

先週、次女が転んで足の裏を切り7針縫うという出来事があったのですが、「消毒+ガーゼ」という従来の治療法が医療者の間では過去のものと知って驚いた。時代は「モイスト」!

お医者さんには、消毒とか軟膏を塗るとかそういうことは一切しないで、水道水で傷を洗い、モイストタイプの絆創膏で覆っておいてくださいと言われた。

治癒の過程では傷口に様々な細胞が集まり傷口をくっつけてふさいでいくのだが、消毒するとそれらの細胞が死んでしまうのだそうだ。また、ガーゼは傷口から出る治癒のための浸出液を吸い取ってしまうし、はがす時に新しくでき始めた表皮細胞を一緒にはがしてしまう。

傷が乾いてカサブタができると治ってきたと安心していたが、カサブタはむしろ治っていない証拠、細胞は乾燥させると死んでしまうからだ。傷口は適切に湿らせておくことで治りが早くなる(そういえば、動物は傷を舐めますね)。つまり傷口を乾かしてカサブタを、というカサブタ信仰は誤りだったのです。ガッテンしていただけましたでしょうか!?

半信半疑だったが娘の傷も膿みもせず順調に治っている。早く治るうえ傷跡も残りにくいそうなので、稽古でつくる擦り傷もこれからはモイスト療法で円満解決だ。

適切な環境を維持して細胞の再生や成長を促すということは、人間が本来持っている治癒力・免疫力で傷を治すということ(なので、免疫力の落ちている人にはこの療法は禁忌)。師もここのところ、よく細胞細胞と口にされるが、これからは細胞がトレンドなのかもしれない。