弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

武術90分。

バランスボール上に正座する。全身を一個のつっかい棒のように使う。「かじき」と呼ばれる超重い木刀を使った素振り+五十音を書く(あ、い、う、え、お・・)。太極拳

「全身を一個のつっかい棒のように使う」というのは、対象と地面の間のつっかい棒になりきることで、対象の重さを地面に逃がしたり、対象の自重をこちらの攻めに利用したりする。筋力に頼らない(筋力を使うと却ってうまくいかない)ので、力のない者には福音だけれども、道具になりきるのはなかなか難しい。どうしても地面を蹴ったり、腕で頑張ったり、意志が介在してしまう。我を捨てないとうまくいかない。

「かじき」は前回初めて持ったときよりは少し重さに慣れたかも。手で受ける重さを接地面から地面に逃がす、そのポイントを探り当てることで、結果的に重いものが持て、「かじき」で五十音も書けちゃうのだった。で、うまくできると、それが剣の構えとして美しく見える。合理性ってすばらしい。

座学。

遅く武術を始めた私には、武術の一般教養に欠けるという劣等感がある。例えば30代で、回り道もしましたが何だかんだで20年やってます、というような人々にキャリアで対するのは不可能である。どうしたらいいんだ・・みたいなことをぶつぶつ言っていると、「またかよ」という空気を濃厚に発しつつ師が仰ることには、

漫然と長くやっていても意味がない、考えながら稽古すること。理を探ること。一つのことを教わったら「と、いうことは」と発展させること。

私も、書いていながら「何か間違っている・・」と思うんだけど、私はどうなりたいのかなあ。誰かに勝ちたいのかなあ。いや、そうじゃないんだ。