弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のリハビリ

先週、紹介された医師に「しないと気が済まないのなら仕方ないが、身内のひざだったら手術しない」と言われて逆に気が済んだというか、気持ちに区切りがついた。

「最善手」についての話で、以前師に

状況が問いで対処が答えとするなら、何をするべきか、というのは自分の意思で決めることではなく、状況によってすでに決定されているのが分かります。

こう言われたことがあるけど、「再建すべきか否か」という問いについては、もはや状況を分析し尽くした感じがしている。ひざ崩れが出ていない現状で、大方の医師は手術を勧めなかった。再建を勧めた医師は非常にアグレッシブな印象の、たった一人。これが私のひざの客観的(医学的)状況を示していると思われる。私はその「たった一人」にひざを預けることができなかった。

保存でいく。そのことを理学療法士さんに伝えると、「えっ」と言って少し落胆した様子。

つい先日まで「再建したい。勇気がほしい」なんて言っていたのだから無理もない。再建して一年我慢すればバラ色の未来が待っていて、再建なしでは強くなれないとか思っていた。それはやっぱり「囚われ」「目的意識」「強さの履き違い」だったと思う。でも理学療法士さんにそんな内面の変化の話をしても通じないだろうし、彼らはとっても忙しいのだ。だから「すみません」。

「でも・・・」と理学療法士さん。「スポーツ復帰を目指す人をサポートするのが僕たちの仕事だけど、Sさんて最初から復帰してるんだもんね・・」。

武術ロールプレイの分かれ道をいっこ通過した。この先鬼が出るか蛇が出るかわからないけど、感情以上の何かに導かれ支えられて選んだ感触を今は持っている。