弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術→太極拳。 護身術では、道具を自分の体の延長のように使う稽古。 短棒の両端を持って立ち、向かい合って立つ相手が短棒の中心を握るところから。 boh_nocolor.jpg 相手の力に逆らわず、体勢や重心を見て、受け流せる方向にコントロールする。短棒を自分の体の一部のように扱うこと。さらには、棒をがっちり握っている相手も自分の延長・自分の一部のように扱うこと。そうした意識を体験するための稽古だったと思う。師の言葉を借りれば、道具(さらには相手)にコネクトし、ジャック(掌握)することが目的である。例えば、 boh_red.jpg これは赤の人が短棒を自分の一部とし、さらには腕を介して相手をコントロールしようとしているところ。崩れや力の方向を読んで完全にジャックすればこのまま相手を倒せるだろう。 boh_blue.jpg 一方、これは青の人が短棒を自分の一部とし、相手をコントロールしようとしているところ。1点支持なので両端を持つ側より不利だが、師はこれで体重を乗せたり鉛直に上げるなどして主導権を得てしまう。 ポイントは捨己従人。こうしよう、という小さい我を捨てること。相手を巻き込んで大きな我を通すというか、相手込みで我になるというか。この稽古をしていて(ちっともうまくはできないけれど)勝ち負けとはつまり、太極図の支配権を握ることだと思った。・・・あっ! 兵法において勝つとは、あらゆる物を活かす道に勝つことである。 太刀の稽古は、人を斬り殺すことを目的にしていない。・・・稽古を通して、物を活かす道に勝つこと。ただそれだけを目的にしているわけです。(『宮本武蔵 剣と思想』前田英樹 これかあ〜〜〜!! その後刀捕り。 太極拳では、抱虎帰山の応用。知りたかったところなのでよかった。今日教わったのは外側に払った相手を後ろから打つもの。『拳児』では抱虎帰山で拳児が胸をバーンと叩かれていたっけ。 教室の最後に師の套路のビデオ撮影をしました。