弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

武術90分。

ここ2回ほどスポセンを離れ、屋外で稽古している。師が太極拳と出会い、師の師に稽古をつけてもらったのも公園でだったことを思うと感慨深いが、実際に自分がしてみると強烈な紫外線のもと、蚊に刺され放題で着替え場所にも事欠き、思いのほかワイルドだ。それでなくとも、多摩ののんきな風土に慣れた身にはビルと看板の立て込む東京砂漠での稽古というだけでプチ留学といった感がある。酸欠になりそうな私と対照的に、あくまでも涼しげな師である。

手揮琵琶の姿勢で片手で木を押す。起勢の姿勢で両手で木を押す。足は踏ん張らず、虚領頂勁・沈肩墜肘・含胸抜背・立身中正、太極拳の姿勢のエッセンスがひたすら要求される感じ。息を吸い込みながら腕を引き、含胸抜背(胸をゆるめて背中を張る)を意識して吐きながら腕を伸ばすと自然に体から力が出るのがおもしろい。

剣術。小指を張りながら刀を水平に保持して、トンボ捕りのように刃先を小さく半時計回り(右手の場合)に回す稽古。振り下ろされる切っ先を、相手に向けたこちらの切っ先の方向を変えずにかわし、そのまま攻撃する。

トンファーという武器を初めて見た。部屋のハンガーフックを持ってこられたのかと思ったら、十手・鎌・刺又の機能を兼ね備えた、沖縄出身のすぐれものであった。しばらく一人で練習したけど、ひじの骨の出っぱりに当たって痛い。これから2週間稽古がないので、休み中お借りする。今もキーボードを打つ手を休めては手に持っている。肩甲骨のツボにうまいこと入る。

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師の木刀は重くて扱いに難儀するけど、だからといって軽い木刀で稽古しては意味がないと言われる。自分を甘やかすまい。人の多い都会は苦手だが、だからと言って避けていたら、多摩を出られない兵法者になってしまう。

私はこのごろ、師みたいにというよりも、師を師たらしめているそのものになりたいと思う。そうなった時、それは最も私らしい私だろう。師からは、感受性と想像力と論理性をもって修行に取り組むことと言われる。具体的にどういう事かはわからないが。

稽古後に藤棚の陰で対局、2敗。負け方が間抜けで、ああああああああー!!

帰宅して「将棋負けちゃったの」と次女17歳に言ったらば

「それはくやしいだろうね、ママは」。ママはって何だよ・・

これから長いこと稽古がない。その間、夏の自由研究・トンファー・将棋は中盤。