弟子のSです

武術の稽古日誌

今夜は送り火

稽古がないと調子がへん・・。武術が体から脱けていくような。

亡父は材木屋で、まっ黒でごつごつした土塊のような手をしていた。盆暮の休みに一週間ほど仕事をせずにいると、休みの終わり頃にはその手が白くやわらかくなった。子供心に「お父さんの手じゃないみたい」と思ったものだ。

なんかそういう感じ。張りつめていた気持ちが休暇モードになり、気合の入っていたマナジリがゆるんで穏やかになっちゃうような。そして武術のかわりに自分を見つめてしまう。自分を見つめると色々気になって精神衛生上よろしくないのだ。

武術が脱けていく。弱くなっちゃう。

父は作業着を着て仕事に戻るとまたたく間に元のごっつい手に戻るのだった。遊ぶことも働くことも好きで、夢中でする人だった。亡くなった時、まわりの大人が「もう働かなくていいんだよ」と言い、それでお棺に作業着を入れなかったことを今でも私は悔いている。

おお、何でこんなことを思い出したのだろう。やっぱお盆だから?

まあ要するにですね、稽古がしたいなということです。

こんなの師が読んだら、一人で稽古できないのか、依存だのび太だとまた怒られるだろうな・・・