弟子のSです

武術の稽古日誌

サンダルの人になる

私はもともと中途半端にキャリアファッション志向だったのが、ひざの靭帯も切ったし師事する先生は通年雪駄だしで、ヒールのある細身の靴を履こうという意欲がこの頃なんとなく薄れてしまった。そしたら服装の全体計画が崩れた。天命を知るとさえ言われる50歳にして、着る服がわからなくなりました。履物に関して師が仰ることには、

クツの文化の武術は踵から踏出し、サンダルの文化の武術は爪先から接地します。裸足の文化の武術は摺り足です。(大雑把なので例外もありますが)このように武術は、発展した風土や文化の影響を大きく受けています。

何を履くか、というのは、どこが最初に地面につくかも変わるし、重心の位置も姿勢も全く別になります。

伝統的な武術を身に付けようと思ったら、日常からそれに則した履物であることが望ましい訳です。

太極拳は靴の文化の武術だと思うが、師のお足元から類推するに、自分はサンダルの文化の武術を学んでいるのであろう。ちょうど患側の足はかかとに重心をかけにくくなってもいるし、雪駄とはいかなくとも私もサンダル文化の人になろう!というわけで善は急げと吉祥寺に買い物に行く。おりしもサンダルはこの時期大変お求めやすくなっているのであった。ビルケンシュトックというメーカーのサンダルを買った。結局正価だったけど、爪先部分のホールドがとてもしっかりしている(雪駄の鼻緒のホールド力も相当なものだと思うからここは重要視)。今後はサンダル文化にふさわしいファッションを模索しよう。

今日の腕バランスは10秒。自分以外の人に数えてもらっている。