弟子のSです

武術の稽古日誌

昨日のお稽古

護身術+太極拳

今日は「気」を扱うという、感度を最高に上げていかなければならない内容で非常に難渋した。合気の「気」とは異なる、東洋医学で「気・血・ 精」と呼ぶところの気、エネルギーのようなもので、業界的(?)には「氣」と表記されるらしい。ネットの情報によれば

気とは人体の構成と生命活動の最も基本となるものであり、人体の構成成分を陰陽に分けたときの陽の部分の代表です。人体の気はいろいろありますが、基本になるものは元気(原気、真気ともいわれる)です。元気とは、父母から受け継いだ生まれながらの先天の気、食べたものが吸収され運化されてできる水谷の気、口鼻より吸入される自然界の空気を総合して言います。(『中国まるごと百科事典』http://www.allchinainfo.com/health/qishui
気配を察するの「気」であって、これを感じられれば例えば突きを目からの情報に頼らず制することができる。また、気のゆるみの「気」であって、これを感じられれば相手に同調して隙を検知することができる。そこは一種の無風状態のようなもので、攻めの際に働きかけやすい。

これらを相手と対向して目をつむって手をかざしたり、社交ダンスのように片手を伸ばし片手は腰に添えてリードしたり、二人で一つのフラフープを作って床に転がす(=投げ)といった稽古を通じて体験した。肩の力を抜いて、ゆらいで、共感(共鳴?)能力を高める。

太極拳は第五式の靠まで。ここでも攬雀尾の「ジー」で気を読む稽古をした。押してくる相手をただ押し返そうとするのでなく、同調して意識の隙間を検知して入り込む、みたいな感じ。

起勢で逆腹式呼吸を繰り返すと気が循環して体がぽかぽかしてくるというが、50年来の筋金入りの末端冷え性である私の手はいまだにスリーシーズン氷のように冷たい。気はバリバリの「陰」だ。冷え性の武術家っているんでしょうか、と師に問う。武術をすることは自分を中庸にしていくことだから、稽古をする中で(ちゃんとやっていれば)自然と陽の方向に向かっていくはずだ、というようなお答えだった。なぜ、自分は変わらないと決めてかかるのかと言われた。

稽古後異常に眠くなり休憩スペースでノートに突っ伏して爆睡する。「頭蓋オステオパシー」という整体を受けた時もこれと似たような感じになった。「気」関係をいじられるのはすごく、ものすごく消耗する。(追記・これってもしや、体が温まって眠くなったのかもしれませんね)

ノートはあきらめ、起きて師の指導する子供空手教室を覗き、基礎鍛錬(上段受け・内受け・下段払い・外受け)をメモし、組手を観察して、師とお話しして帰った。一週間分のいろいろ。

私「感情って(行為の)ドライバですよね?」

師「ノイズですね」