弟子のSです

武術の稽古日誌

やるプラトン

師に言われたこと、コメント欄にあってはなかなか目にふれないので、本文にあげておこう 武術は、自分自身以外の何にもひざまづかないし、自分以外に自分の主人を認めないという世界に対しての意思表示です。 プラトンも自分を曲げるくらいなら死んだ方が良いと言って、実際死刑になりました。 しかし、それじゃあ無意味だろう、死んじゃ駄目だろう、力なき正義もまた無力だろう、というので、プラトンの理想だけでなくゴルギアスの弁論術も持ちましょう、理想を口にしても敵対者に殺されない実際的な力をつけましょう、というのが武術です。 怖いからやらない、ではなく、怖いからやるしかないのです。 自由や理想を追いたいけど殺されたくないと思うなら、保険、お守りとして武術をやっておくのがよろしかろう、というだけの話です。プラトンの理想ではなくゴルギアスの弁論術を持ちましょう」でなく「プラトンの理想だけでなくゴルギアスの弁論術持ちましょう」なのがいい。武術は人格の改造を求めてはいない。 恐怖の奴隷であることが、私から自由を奪っている。端的に弱いという事実によって、武術は私が恐怖の奴隷であることを教えてくれる。私は、何を怖がっているのか、何によって不自由にさせられているのかをはっきりさせなければならない。