弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術+太極拳。昨晩から気づいていたのだが師の前頭部に創傷が。ツキノワグマみたいになっておられるが暴力沙汰の跡ではないようだ。危険は日常に潜むものですと微笑んでおられる。

起勢の、両手を目の高さに上げる動作。動作中のいつでも相手からの攻撃に備えていること。守りと反撃を一挙動ですること。

倒巻肱の要領でする手首抜き。押さえる側のバリエーションは、正面から両手で押さえる・正面から両手で引っ張る・後方から肩越しに腕ごと押さえる・仰向けに寝て伸ばされた腕を押さえる。最後の仰向けからの腕抜きは黒田鉄山先生の動画で見ていたから、おっ!とうれしく稽古させていただく。

鉄山先生は「(相手が押さえている)自分の腕が動かないように、完全に肩から分離して体を寄せる」と仰っていた。立位で抜く場合は体を寄せる代わりに足を後ろに伸ばして(倒巻肱のかたち)抜く準備をするが、その間「押さえられている部分、足以外の部分を1ミリも動かすな」と師が言われるのも同様の要領と思われる。相手の反発を招かない、ということだろうか。

起勢・倒巻肱と稽古して、太極拳の動きの要領って覚えておくと便利だなあとつくづく思う。弱っちくても何とかなるんじゃないかという気持ちにさせてくれる。

太極拳教室では推手のループトレーニングのうち、胸と耳を打つ二動作をワンセットで交互にする「猫耳」(←Sだけの言い回し)を稽古する。それから後ろに回ってひじをきめる、合気道の「一教」に似た動き。お手本のURLはこれです

http://www.youtube.com/watch?v=kErdoCrk4O4

猫耳はつまずくところがいくつかあるので覚えるまでがなかなか大変。何人かの人に教える。

一人の人が要領をつかんでできるようになり、手に手をとるような喜びを共有する。感謝されたけど、こちらにとっても本当に嬉しいことだった。その一方でうまく伝えることができなかった人もいて、碎啄同時というか相性というか、教えるとは、教える側と教わる側の共同作業だと思った。私は師にこんな喜びを味わわせたことがあっただろうか。