弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術+太極拳

・向かい合って起勢。自分の指先と相手の指先とのつながりを意識する。打撃に対して動作中のどの時点でも両手が反応するようにする。対人の型稽古でじりじり相手ににじり寄っていく癖を直さないといけない。

・こちらに向けられた短棒をふわっと上げる、ふわっと下げる/左右の動きも加えて短棒を取りにいく/逆に、こちらが握った短棒を相手につかませて操作し体勢を崩す/棒を手首に替えて同様に。とられた手首から相手を操作して体勢を崩す。腕だけでしようとせず、太極拳の動きの要領で身体全体で動くこと。

・体正面への突きに対して、手で軌道をそらす・止める。勢いよく払うのでなく、手を使って突きの軌道を少し変えたり勢いをそぐことが目標。手は相手の腕にそっとあてがうくらい。

最後のを師と向かい合って稽古すると、勢いを減らさないよう意識して胸を打っても、師の手が触れるだけで手前数センチ残して突きが届かなくなる。それはとても変な感じで、師の胸の前に見えない空気のかたまりがあって、止められるというよりは私の方で止まるみたいだ。何なんだろうな〜〜〜と腑に落ちず、何度も打たせてもらう。ちょうど読んだばかりの『イビルハート』に「遠当て」というのが出てきたが、それに似たものだろうか。気持ち悪いけど、おもしろかった。

こちらの感覚器が師の何かに感応して、一種の共同作業にのせられているとしたら、感覚が発達するほど不利になる、むしろ鈍い方がトクっていうか戦いには有利なんじゃないかと思うけれども、その感覚が鋭敏になれば、よくない何か(殺気とか)を察知して回避することができるようになるという。

夜、護身術教室の忘年会。師+生徒6人。去年は生徒が4人だったから、一年で5割増し。事情で今は教室をお休みしている人も、忘年会があることを当日に知った人も来ている。20代から60代までの男女が揃って「ああ楽しかった」と言って帰る宴会ってめずらしいんじゃないでしょうか。指導者を囲む飲み会って往々にして「この人を持ち上げなければ」的な空気に支配されがちなものだが、師は権威的なところがカケラもないのがご人徳だ。今年一年おつかれさまでした〜。