弟子のSです

武術の稽古日誌

アッパッパー

小さい頃、隣に住んでいた年上の女の子と仲良しで、というか私が彼女をすごく好きで、ずーっと隣に入り浸っていて、毎日帰る時間になるとおいおい泣いて両家を困らせた。初めて泣かずに帰宅した晩、正座した母に今日は偉かったと褒められたのを覚えている。彼女とはそれからだんだん疎遠になって、お互いに別の友達や世界ができて、隣にいながら全く遊ばなくなった。寂しいとも何とも思わなかった。

三つ子の魂百までというが、私はそういう人間である。人を愛しているようで、そのじつ自分しか愛していない。いやだ帰らないと泣く私を見て彼女はよろこんだだろうか、たぶん戸惑っていただろうと最近になって思う。