弟子のSです

武術の稽古日誌

血肉にするのを阻むもの

受け取った血肉をどうやって自分の一部にして生かすか、ということに全神経をそそいでください。

今考える自分の課題は以下の三つ。

・研究的態度に欠ける ・師を偶像視している ・自分の事にばかり熱心である

厳しい指摘、たとえば「習っても習いっぱなしで研究しようとしない人にはもう教えない」というような指摘を師にされると、私は「もう教えない」の方に着目してしおれてしまうが、この場合着目すべきは前半の条件の部分であって、これは「習いっぱなしにせず研究しようとしなさい」と受け取るべきなのだ。条件を無視して帰結部分にばかり着目するのは組手でも私のよくない癖だ。

研究的態度に欠ける件については、人やマニュアルに頼らず、まずは自分の体や心に訊く、観察する習慣をつけよう。

そして、私はもともと本の虫だったりしてどうも手っ取り早く言葉に頼りがちだが、事物や現象といった、言語化されていないものからどれだけメッセージを受け取れるかが勝負どころというか、後半生の充実のカギを握ると思う。たとえば新聞で読んだんだけど、魚類学者のさかなクンは落ち込んだ時に「そんなの深海じゃ大したことない」とエビスダイに語りかけられたという。

そしてそして、自分と他者、心と体、泥と蓮、普通と逸脱、そういう対比を別々のものとして捉えず、同じ一つのものとして自然に考えられるようになれたらいい。「自分」「心」「蓮」「普通」、今は片側への関心ばかり肥大して、見たいものしか見ないから、そこを何とか。