弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

スポセンで武術90分。やっぱりここがのびのびして一番好きだ。今日の私の稽古に臨む姿勢は自慢じゃないけど研究的だった。組手で試してみたいテーマもあった。それは「すべての首(首・手首・足首)を狙う」。手首と足首は、そこからロックして技につなげる。内旋と外旋とで体の逃げ方がどう異なるか家族を使って調べた。youtubeの師のチャンネルで、組手で師がTくんの首を取りにいく様子もよく見た。套路も左右逆にできるようになり、太極拳の要素が反映された戦い方ができるようになった。はずだった。

・基本動作のチェック。羽ばたき(前後・上下)、腕振り、対向して発勁、ひじを組み合わせて崩し合う、カニ歩き、四股。

・前後の羽ばたきでは背骨の一つ一つがぽきぽきと折れて体が反っていく感じを内観するよう言われる。その感触を保ったまま崩しの稽古。相手の背骨をこすり上げる動きで反らせ、あるポイントに達したところで下に落とす。その崩しの要領でいくつかの方向から技をかけていった。

太極拳套路のチェック。左右逆のをご覧いただいたが、第一段を少し過ぎたところで「もういいですよ、頑張りましたね」と打ち切られてしまった。ここから先がいいところなのに・・。でも師に見せるために練習したのではないからいい。通常の套路の第一段をチェックしていただき、結構直される。

・単推手、双推手

・組手

実際に師と対峙してみると、以前より下手になっていないか、稽古の回数が減って弱くなっていないか、全てにおいてそればかりが気になってしまった。

組手で密かにテーマに掲げた「すべての首を狙う」も、考えてみれば当たり前だが、狙い通りには取らせてもらえない。取れても後が続かない。疲れてくるとやられ放題になるのは動きが身についていない、考えて動いている証拠だ。実はこういう狙いがあったのですよと種明かしをして、首・手首・足首をそれぞれ狙って取れたというところから組手をさせていただいたが、んー、だからと言って思ったようには全く展開しないのだった。具体的なアドバイスは以下。

・寝技で足を狙うのはいいが、その際に自分の足の位置に無頓着なのがよくない。相手に向かって無防備に放り出している状態。

・組手では「自身を借金のない状態に保つ」ことが大切。相手につかまらずに間合いを保っているという状態は、逃げている訳ではなく、均衡をとる努力をし続けている状態。試しに私がひたすら逃げるだけの組手をしてみたが、間合いどころかすぐつかまって倒されてしまった。間合いを保つことが覚束ないまま(借金を抱えたまま)ひと思いに攻めようとするのは借金に借金を重ねるようなものだと言われた。

師は間合いを保つなかで、相手の動きに応じて(=捨己従人)動いた結果それが自然と技になっているので、自分から何かしようとしている訳ではないと仰る。相手の変化を見ながら、それに応じて時々刻々とこちらも変化し続けていかないといけないのに、私はやっぱり頭も動きも硬くて自己完結しているからそれが叶わないのだと自覚する。

なにしろ月1回でもこうして見ていただければありがたい。TKRさんが師に「私の稽古相手になってください」と言われたことが本当に励みになった、とかつて話してくださったが、そのときTKRさんが感じただろう高揚感が今はよくわかる。師に必要とされる弟子になりたい。

戸山公園の桜が満開ですごくきれいだった。