弟子のSです

武術の稽古日誌

構えと受け

ポンを張った状態の腕を相手に向け、両腕で舟形を作る。右手首〜前腕部分で相手と接している。これが白桃会の基本の構え。 このとき、前に出した手は次のような働きをしている
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稽古ではこの形で向かい合うことから攻防が始まるが、この際私が打たれる定番のパターンが、構えた前の手をはたき落とされて顔を打たれるというもの。下図のような単純なやられ方なのだが、なぜか避けることができない。息が詰まるほど気を張っていても打たれる。同じことを師にしようとしてもうまくいかない。
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1〜3それぞれの段階で、前に出した師の手が何をやっていて、私の手が何をやっていないのかを考えている。「初心者は、その陣形(かまえ)に一つの意味しか与えられない」との師の言葉通り、私の手はとりあえず抑えよう・受けようとする以外のことをしていない。へっぽこな兵隊を斥候に出しているようなものだ。しかも、ポンの張りが弱いので1の時点で既になんとなく「負けている」。師は1〜3において「つかむ」以外の全ての仕事をしているはずだ。 (「つかむ」について言えば、えいっと攻め込む手首をつかまれてそのまま引き込まれ関節を極められる、というやられ方もよくする。) 上級者は手を合わせただけで(1の時点で)相手がその先の攻防のシミュレートをどこまで精密に想定しているかがわかるという。なので隠しても仕方ないので書くと、1での私は、気持ち的に押されていることへの対抗心と、かと言ってすることが思いつかない、そしてそのことに業を煮やしているという、シミュレートとは程遠い状態にいる。 1〜3をじっと見ていると、実技のことでいろいろ自分に言いたいことができてくる。多くの人は、左手は何をしているのかと思うだろう。私もそう思う。間に合わないのです。両腕の連携が悪いからです。そしてその前に、私は打てず師は打てるという陣形になっていることが問題なのだ。 ・ポンを張って円相をつくり、両腕を連携させる→手を道具化する。 ・道具となった手に仕事をさせる。 ・仕掛けず、聴く。