弟子のSです

武術の稽古日誌

初夢の話

先週、誕生日に見た夢になんと師が出てきた。夢には隠された意味があるときく。このエピソードは一体私に何を語りかけているのだろうか。他人の夢の話ほど聞いてつまらないものはないというが、臆せずここに記録しておこう。

ある日私は武術関係の人々が集まって暮らすアパート、感じとしてはトキワ荘、に移り住むことになった。そこは四畳半一間の部屋が重なるタテ長の建物で、私の階下、真下が師の部屋であった。アパートの住人達は一様にその建物の粗悪な造りについて文句を言っている。そうなんだあと思って一晩寝て朝を迎えると、ごとごとがたがたと部屋のどこかからただごとでない音がする。行ってみると台所に置かれた冷蔵庫の裏の壁を突き破って師が出てきた。私はびっくりして恐怖におののいたが、スッピンだし寝起きなので顔を出して挨拶する訳にもいかず物陰から覗いていた。すると師も「スッピン」であることがわかった。なぜかというと、普段見るお顔とだいぶ違っていたからである。「師もいつもはお化粧してるんだ・・」と思った。あとで師の仰るには、いかにそのアパートが安普請であるか、壁の薄さを家主に訴えるべく、配管を伝ってそうした行動に出たとのことであった。

おしまい