弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術+太極拳+子供空手。

護身術教室は生徒が5人、木曜の夜稽古に引き続き賑やか。内容はこのところ続けて稽古している「相手の手を内旋してロック、からの展開」/双推手/座捕り/雲手。

最近個人的な課題の「対Yさん」。気はやさしくて力持ちなYさんになぜか私だけが吹っ飛ばされてしまう件。具体的には以下の3点を修正しようとしている。

・「力は力で返される」の現れなので、力で向かっていかないこと。

・投げられてから床に対して受身をとるのでなく、投げられる前に投げ手に対して受身をとる。

・大きな力を真正面で受けとめず、左右のどちらかに振り分ける。受けにも虚実をつくる。

結論から言うと、まだうまくいかない。座捕りでどーんと3メートルほど転がされた。

太極拳教室では体験の人もいたため基礎鍛錬として逆腹式呼吸をおさらい。

吸って引く、吐いて押す。攬雀尾の型で稽古。

腹式呼吸はおしりの穴で呼吸するイメージ。吸い上げてみぞおちあたりが膨らみ、吐いて解放、お腹が膨らむ。師のデモでは呼吸に合わせて膨らみがみぞおちとお腹の間を面白いように移動する。師は、打たれようとする部位を膨らませることもできる。便利だな。

一コマおいて子供空手。

大人の教室の基準でみると稽古が「過激」でおもしろい。障害物を置いて飛び込んで前回り受身をとるとか、その勢いで相手を蹴る「浴びせ蹴り」とか・・子供は体が柔らかいので相当無茶な姿勢で受身をとってもケロッとしている。首の固い私は一歩間違えたら半身不随だと思うので慎重にやる。投げられ慣れているせいか意外とできた。まあ、できなかったら師がさせないだろう。

師の動きは流麗でかっこいいなあと改めて思う。教室の男の子達の気持ちも私と大差ないはず。

二列になって向かい合い、習った技の掛け合い/単推手/座捕り/打撃のみの攻防/投げのみの攻防/自由攻防/寝技。

からだであそぼ」な感じで皆楽しくやっているが、一人の子がふとしたきっかけでつまずき、そのまま稽古できなくなってしまった。負の感情が肥大してにっちもさっちもいかなくなる感じは私にも覚えがある。そうした時に人と比較して叱られる辛さもわかる。彼は稽古の終わりまでついに立ち直れなかった。その子のそれは初めてではないそうだ。しかし翌週にはまた来て、それで長く続けているというのだから弱い子ではないのだ。

「恥をかきたくない」の「恥」を履き違えていること。物事を針小棒大に捉えること。感情に飲まれること・・・。子供を反面教師にするなんてと思うけど、今日の彼から学んだものは大きい。先生は助けてくれるが、最終的に自分を立て直すのは自分の仕事だ。精一杯耐えていたのであろう、ぶすったれた顔がいじらしい。

稽古後に教わった、負の感情に襲われて苦しい時の内観と対処のしかた。

目を閉じて苦しさを感じる場所を特定する。特定したら、そこをなだめてやる。

場所を特定できない苦しみは、いわゆる「実体のない苦しみ」だと知る。・・私のは大体これだ。

今日のつまづいた男の子も多分そうだが、苦しいと自分の全存在がどす黒く塗りつぶされたように感じる。具体的な対象に悩まされているというより、自身が苦しみを選んでしまっている。

これが師の仰る「ウ○コな悩み」であろう。流すことだ。でもどうやって? それがわかれば・・