弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

わらしべ長者、と聞いて連想するのは映画『フィールド・オブ・ドリームス』の台詞「君は君の得のためにこれをしたのか?」。欲得ずくでなく、ただ、内なる声に従順でいるだけ。 護身術+太極拳+幼児空手+子供空手。 護身術は昨夜と同様、相手の力を弾き返す稽古。相手に掴まれる瞬間、その接点の感触から相手の力のタオに沿って返してやる。下図赤丸を接点とすると、 setten1.jpg このように真っ向からぶつかるのでなく、次のような感じ setten2.jpg 一瞬のことだが、サスペンションを効かせるというかほんの少しの「引き」を作って戻してやる。タイミングが遅くても早くても失敗する。うまくやろうと少しでもせこい工夫をするとダメだ。余計なものを加えず、教わったままのことをすること。うーん。 太極拳は先週の続きで、胸を張って体を大きく開く・引き寄せて閉じる、を意識した動き。十字手ひとつとっても、その中に開く動きと閉じる動きとがある。動作にも動作の流れにも虚実をつくることだと思う。 子供空手では組手をよく観察する。戦い方が段階的に進化していく様子が目で追えておもしろい。 初期段階では大概、まず蹴りの応酬となる。彼らは激しいコンタクトをものともしない(!)。ぶつかり合いを避けて逃げに回りがちな子もいる。強い子同士の組手になるとのっけからコンタクトせず、相手の出方を伺う時間ができるようになる。打撃で圧倒するより、隙をみて相手に取りつき投げるという方向に狙いが進む。高ポイントで加算されるルールから、投げが戦い方として進んだ形態で、打撃はその前段階だと学習するのだと思う。 子供空手の最中に瀬尾さんがシューシューと異音を立てはじめた。彼はエネルギー代謝に優れているのか、突然わかりやすくガス欠になるのだ。なので稽古後、瀬尾さんに早く何か食べるものをと東小金井の「サクラキッチン」へ急ぎ、そこでまた色々と有益な情報を得る。「男は女の泣き言を聞くのが大嫌い(←わかりましたかSさん、的な)」「プロレス映画にハズレなし」etc。師いわく、自分のことでは涙なんか一切流さなくなったのに、映画とかだとやたら泣けるんだよ。