弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術+太極拳+幼児空手+子供空手。「末端の操作で体幹を動かす」のつづき。

手首から操って立った人を座らせ、寝かせ、座らせ、立たせる。関連で、「強引に」操るのではなく、介護でする起居動作介助のように相手に優しい動かし方も練習した。

手首の操作で体幹まで動かすには、手首~ひじ~肩までをロックする。それはふだん稽古している五指の張りと関連させると

・親指を張らせる→起勢のかたちでロック→片手の操作では体幹は横方向(外側)に逃げる。

・薬指を張らせる→南京玉すだれのようなかたちでロック→体幹は胸が張るような前方への動き。

なので、親指を張らせるような捻り方をしているうちは、体が横回転してしまって人はちっとも起きてくれないのだった。(寝返りを打たせるにはいいかもしれない。)

私は今、師から「太極拳のコウや按といった体当たりが、一対一の攻撃について有効な場合とは何か?」という宿題を出されているのだが、今日、組手について瀬尾さんと話す中で頭に豆電球がともった。体当たりとはただの「全身を使った打撃」ではなく、相手と衝突して蒙るダメージを最小限にする、相手の体幹を有効に揺るがすというように、上手に当たることでいろいろに使える動作なのだと思った。まだ考え中。

幼児空手ではDくん5歳の成長がめざましいことに感心する。お湯をかけて1週間おくと、あら不思議成長している、という印象。9月に稽古を始めた当初はお母さん見てるかなと目で追っていたDくん。今お母さんは稽古中、彼から見えない場所で待っておられる。母親を気にしなくなって成長したのか、成長して母親が気にならなくなったのかわからないが、口数が増え、教わることが楽しそうだ。だから伸びる。彼が得たのはひとつの自由だと思う。親である私にとっても示唆的な出来事である。

稽古後の雑談で、武術を始めてから世界が複雑になりました、と私が言うと瀬尾さんが、そうすか?僕にはすごく単純だけど、と言った。それまでが単純だった人は複雑に、複雑だった人は単純になるのが太極拳というものですと、どこからか手に入れたピーポくんのおめんで遊びながら師が仰った。