弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

森茉莉は晩年自室に鏡を置かなかったという。もちろん大の写真嫌いである。私もこのままでは早晩そうなろう。私の双推手の動画を撮る件は宿題ということで、できそうに思った時に自分から申告することになった。人が難なく跳び越していくハードルを私は跳べない。恥ずかしい。跳べないことより、跳べなくしている過剰な自意識が恥ずかしい。わからない人には何のことか全くわかるまいが、動画問題は私にとって重く根深いのだ。写真嫌いといっても家とかで娘に撮られるのは全然嫌じゃないんだから、自分でもよくわからない。

護身術+太極拳+幼児空手。

上手に転がる、受身を取る、取らせる。

向かい合って座り、手をつないで円を描くように重心を移動する。自然にそうなったところで逆らわずに転ぶ。できたら流れに沿って起き上がる。流れに沿うためには、ぶつかるところ、カドをつくらない。

対人では二人で一つの運動体だと捉え、相手込みでなめらかな動きになるように。背負い投げ、小手返し、手を取られた相手の裏に入る、首をとって投げる、寝技(マウントを取る・取り返す)。

人差し指を伸ばして、親指とでL字型を描くような掴み方で相手のパーツをとり、人差し指の付け根で急所(ツボ)に圧をかけ、圧痛によって相手を沈める稽古。この要領で手首をとるのが合気道の四教だそうだが、私の合気道の知識は二教で止まっていて詳細はわからず。手首(表と裏)(正面からと背後から)、手首+二の腕(太極拳の提手の用法)、足首。

師の記事によると、合気色が強まるほどに(圧痛によらず)相手を自分と一体のものとして操作する感じになっていくそうだ。

太極拳でも、起勢で作った重みがなめらかに移動するよう意識しながら套路を行う。白鶴亮翅〜進歩搬攔捶、上歩七星〜転身擺蓮などが難しいところ。自然な流れを途切らせないこと。

八卦掌の歩法を初めて体験してすごく面白かった!塔手のかたちから相手にもたれるように体軸を傾け、そのままだと倒れちゃうから必要に迫られて、という感じで環状に歩く。安定が崩れ、回転軸が斜めになったコマのようだ。太極拳らしく「体軸を鉛直に保ち、自立安定」を旨として立っていたら、凄いスピードで裏に回られていた、という感じのアプローチ。

幼児空手では継ぎ足を教わる(教わっているのは生徒だけど)。前後左右の継ぎ足に手の動作をつける。継ぎ足を使った横蹴り。蹴りのアクションには華があるから子供にも魅力的に映るようだ。私の蹴りは、現状では資源ゴミの日にペットボトルを効率的に潰すくらいの威力しかないが、要領でいけるところまで威力を増したい。キックボクシングの心得がある瀬尾さんが指導の合間にコツを教えてくれる。横蹴りは「ト」でなく「T」のかたちになって蹴る。なるほどっ!手の動きも今度よく見よう。

幼児空手が終わったところで帰る。子供空手に向かう生徒とすれ違うと「何サボってんだよ。金がもったいない」と言われた。年の離れた生徒という認識だったのね・・そうじゃないかと薄々思ってたけど・・。