弟子のSです

武術の稽古日誌

離見の見

見所より見るところの風姿は、わが離見なり。しかれば、わが眼の見るところは我見なり。離見の見にはあらず。(『風姿花伝』) 自分の本当の姿は自分からは見えない。見所(観客席)から見る者たちのうちに置いて初めて見ることができる。 三鷹の横森珈琲で旧友と語らう。中年女子、と自ら称する独身の彼女は歯に衣着せぬタイプの誠実さを持った人で、「見所より見るところのSの風姿」をいかんなく語ってくれた。そうか。それが私か。私は間違いだらけの、独善的で無知蒙昧な、とんちんかんに頑張ってる老いた女王様か。 どうしよう・・・・・・・・・・。 メッタ斬りに遭って放心する私に、三鷹在住の彼女は「今度うちに来て。社交辞令じゃないよ」と言った。 かねてより訪れてみたかった横森珈琲は、少し駅から遠いが、お尻のよろこぶ良い椅子が置いてあって、なみなみ注がれたカフェオレはおつまみのナッツがついて550円。リーズナボゥ!