弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

直であれ。手順を追わず、見たままを覚えろ。考えるな。漫然とやるな。見るな、観ろ。聞くな、聴け。うわああー!!

武術90分、スポセン。

金曜稽古のおさらい。背骨をつなぎ目を意識してS字を描くようにしならせ、横回転や縦回転を加えることで3次元の動きとする。かといってぐにゃぐにゃするのではなく、形状記憶しているように元に戻る、姿勢を保つ。それができると懐が深くなるから、押し込まれても自分の領域を守りやすくなる。その要領で単推手、双推手。

双推手では自分の右手から仕掛ける技を4種教わる。ただし私の場合は、教わった技を自分から能動的に仕掛けてうまくいくような状況はまず起こりえないので、形勢は常に押され気味という前提で、仕掛けられた技を受け、凌ぎ、返すという受動的な流れの中で技が使えないといけない。だから手順でなく理合いを覚えなければ使えないのだ。

・ネルソンという絞め技。立位、座位、寝技。

・対向して両手を上下に合わせ、下の手の人が上の手を叩こうとするのに反応する。

・そこからの発展で、受け手が反応しづらい突き。腰をあらかじめ目一杯入れ、引く動きで突く。ジャズの裏打ちのような感じ。拗歩の構えからそれをやると距離が稼げて超速い(できないけど)。

・それから組手と寝技をやった。教わった動きができていればマウントされても返せるし、打撃も喰らわず、姿勢も崩れない道理。相手との関係を観て、攻防が今どんな局面かを把握すること。

稽古後にサイゼリヤで休憩。ダークチェリーの乗ったフォッカチオをおいしく食べたのはよかったが、師によって私の武術的とは言えない人間性が公に曝されることとなった。私はトラブルを僥倖によって救われるという幾度かの人生経験を経て、口には出さないものの、自分は「持ってる」と少しだけ思っているのだ。しかし師いわく、トラブルに遭っている時点でそれは既に「持ってない」だろう。そういう、自分を特別と思ってるやつから死ぬんだよ。

帰ってくよくよ。悪い方の可能性を常に考えて備えるのが武術家であるのに、こんなおめでたいことでは資質を疑われても仕方なかろう・・・。