弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

護身術+太極拳+幼児空手。

薬のおかげでおなかの具合が整い始め、参加はできたものの、ふらふらして脂汗が出る。ものの匂いが鼻につく。

体不の人がいる、ということで、護身術は「体ほぐし」から始まった。二人一組で、肩(腕の付け根)・頭(こめかみと前頭部)・首。押したり回したり。

相手に胴の一点を指してもらい、そこを受け手が意識して弛める。背骨のつなぎ目から胴全体をよじるように。これが打撃を受ける要領の稽古につながっていく。師ってこういうところの稽古運びがうまいなあと思う。おそらくは思いつきで進めておられるのだが、理を辿ることで自然に展開していくようだ。

先週金・月のつづきで落下の鍛錬。立った姿勢からストンと座る。

対向した相手の拳を落とす。座位、立位、交差術。慣れたら拳でなく腕を腕で落とす。

月曜日にできなくてひどく落ち込んだ拳落としが、今日は「置きにいく」がうまくできて、夢のようにうまくいった。力みがちな相手に対してもうまくいったから、できたと実感した。下痢で体に力が入らないこと、感覚がやたら鋭敏になっていることがよかった。って、こんな特殊な条件下でしか出ない能力じゃ困るんだが・・。

それから、相手と片手で押し合うという構造を考察。

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相手と等量の力で押して釣り合いをとるということをずっと言われてきているが、手の位置が「5:5」の形と「2:8」の形では後者の左側が押し負けているように思える。しかし構造的には「5:5」も「2:8」もともに釣り合っている。手を伸ばしている方が姿勢として脆弱だからだ。(「0:10」では完全につぶれてるので負けです。)これは単推手を考える上でもとても参考になる。「2」でつぶれずにキープできること、「8」で脆弱にならないことが肝要だとわかる。

続く太極拳では「虚実分明」「立身中正」「含胸抜背」「沈肩墜肘」という姿勢や動きの基本を、套路の型をなぞりながら稽古した。

幼児空手では手ほどき(片手・両手) 、寝技(ガードポジションとそこからの絞め技)など。

昨年9月に稽古を始めた子が、最初のころお母さんと離れるのを不安がっていたのが噓のように、武術に面白味を発見して、その気持ちがすくすく育っているのがわかる。技を思いついたと私を相手にかけてみる、翌週になってもそれを覚えている。型稽古の時など「よこうけ、かぎづき・・」と自然に声が出る。終わって「おもしろかった!」と言いながらお母さんのところへ駆けていくのを見ると、喜んでいただけてよかったです、と思う。