弟子のSです

武術の稽古日誌

昨夜のお稽古

中野にて夜稽古。RさんとS井さんと久しぶりにご一緒する。

質の異なる二つの力、陽の力と陰の力について。ほどなく師のブログの方で解説がされることと思うが、陰の力とは、例えば、重量のある壊れ物の壺を私達がそっと床に置きにいく時に使う力である。気持ちは進行方向に向かっているが、力はむしろ抜いて引き気味に。そうしないと床にぶつかって割れてしまうからだ。これに対して気持ちと力の進行方向が同一なのが陽の力、押しまくるポジティブな力である。床を人に換えてみると、陽の力ははっきりとこちらに向かってくるので対抗しやすいが、陰の力は直接押される感じがないため対抗のとっかかりがない。床が壺を割らずに受け取らざるを得ないように、力を受け入れざるを得ない。

ということで、陰の力の使い方を稽古する。座位、立位で正面、背面、ひじからの崩し、肩口からの崩し、刀を用いた肩口からの崩し。

つぎに丹田を(骨盤を)回す運動をし、そこから派生する動きを稽古する。

丹田を上向け、荷重を腰でなく骨盤で支える姿勢をつくる。これによって単鞭で押し込まれた状態を耐えたり、正面から投げに来る相手に上体を崩されかけたのを腰を入れて返すことができる。

骨盤を回して腰を入れて背負い投げ。耐えられたら足を払う/大外刈りを受ける。ぶつからずに8の字を描くように腰を回して返す/腰を回して突き・蹴り・突きと蹴りのコンビネーション。

それから、来月行われる歩法の講習会の内容のさわりをやった。

師が焼酎を下げ、その重みによって道場までいらっしゃった(上掲のリンクをご参照ください)ので、おつまみを買出しして稽古後に呑む。師はガリガリ君を焼酎で割って呑んでおられた。それは涼しげなビジュアルで下戸の私にもいけるお味であった。

RさんもS井さんも仕事を持っていらっしゃるので、専門知識があるから話していてためになる。しばらく前から師と武術に関する出版物を作ろうとしているが、漫画業界の事情に詳しいS井さんからアップトゥデートな情報(というか近年の常識)を仕入れてだいぶ賢くなった。しかし地に足のついた情報を得たわりには、話すうちに言うだけならタダという感じになり、ちょっと書けないような壮大な提案がつぎつぎ語られた。