弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

右手を休ませるデーのはずなのに気がつくとスポセンにいた。畳敷きの道場が今日も貸切だったので、板張りの道場ふたたび。

動画撮影から始める。套路の第四段(これは「白桃会・太極拳 2015版変更点」として既にyoutubeにアップ済み)、準備運動、フルネルソンという締め技のバリエーション。その後フルネルソンを動画の内容に沿って稽古した。手技と足技それぞれ2種。

その後、塔手から円を描いて相手の裏に入りにいくのに、内側の足をかかとでターンすることで回る半径を小さくする・相手との距離を狭めるという稽古をした。相手の攻撃を受け流して反撃するのにもこの歩法を使う。たとえば足払いを外しながらかけられた方向にターンし、その流れで蹴ったりひじ打ちするなど。そんな感じで流れに逆らわず、つかず離れずの距離を保ちながら攻防のラリーをした。

掛け蹴りを床に手をついてかわし、掛け蹴りで返すというのをやる。相手も同様に手をついてかわし、交互に続けていくとカポエラという武術のような動きになる。が、全然うまくできない。動画では身体を足で支えるのと同じような感じで手で支えているが、実際にやってみると手と足とでは大きく強度に差があるのを実感する。形状も太さもあきらかに違うし、そもそも「かかと」に相当する部分が手にはないではないか・・・。バランス感覚と柔軟性に加え、自重を支えられるだけの強度が手にないとむずかしい。

木床に勢いよく手をつくうちに手首が内出血してぷっくりとふくれた。これ、リスカの傷口がないやつなんじゃなかろうか。右手に続いて左手も痛くしてしまったよ・・・。師と瀬尾さん「よくある事よくある事」「だいじょぶだいじょぶ」。

稽古後にトルコ料理屋さんでオーロラソースのたっぷりかかったケバブ丼というのを食べ、かわいい茶器でトルコ紅茶をいただく。時々心に残る瀬尾さん語録、その一部。

・「幸せなモブより苦しむ主人公の方がいい」

 (↑たとえ才能があっても幸せじゃなきゃ嫌だな、と言う私に)

・「Sさんは佐山先生の技をなぞろうとするが、ぼくは先生の技の理を分析しようと思っている」

 (↑ご本人からの脚注あり。コメント欄を参照のこと)

あとの方のは「形や手順を追うな」ということで師からも強く言われた。

問題は、触れたとき、いま、完全に相手とリンクしているな、という感触、感覚があるかどうかです。それを決められた手順として行えばいつか技が掛かるようになると考えると、永久に技は掛からなくなります。

完全に相手とリンクしているという感触は、卵が立つ瞬間のそれだ。

それから師には、自分のストーリーでものごとを解釈するな、その解釈が人に通じるだろうと思うな、みたいな指摘も受けた。私は武術を通して自分の独善的なところを直そうとしてるから、それは本気で取り組む。