弟子のSです

武術の稽古日誌

武術ゆく年くる年

毎年、月ごとに「今月はどのように苦悩したか」を縷々綴るようなかたちで一年のまとめとしてきたが、今年はちょっと様子がちがう。本人にはあまり自覚がないまま、先日師より「スタートラインに立った」お墨付きを頂戴したのである。先日撮った動画が師のブログにビフォー&アフターのようなかたちで紹介され「あとは師としてはほぼ見守ることしかない」。 私としては12月26日付の記事の末尾に「すること(課題)が沢山あってたのしいなぁ」と書いたとき、自分が少し変わったかしらと思ったことである。すること・できないことがあるのは、たのしい。以前ならこうは書けなかった。 紆余曲折はあったがこの半年で、「いい組手」と「相手を制圧する組手」とは違うということを、子供空手や斎藤酒場のおばちゃんを通してわりと心底理解したのが大きいかもしれない。それで自分の進んでいく方向が定まったから。「スタートラインに立った」という言葉は、武術的にその方向性に間違いがないことを師が請け合ってくださったことだと思う。 師から贈られた(と勝手に解釈している)言葉。 レベル99でも武術家でない人はいるし、レベル1でも武術家はいます。 あくまでもスタートラインに立っただけで、私が弱っちい現状には変わりなく、課題は相変わらず山積みである。師によればこれは仮免で、これから師には助手席にいてもらい、私は路上教習に出るのだそうだ。おっかないな・・。でも、しっかりやろう。私という人間は全体的に幼稚で、師の面倒見の良さにずっと甘えてきたから。 そして本好きの私ではあるが、昨今のよい変化はどれも体験から、実技の稽古や遊行から得たもので、読書からではなかったことを忘れずに来年も過ごそうと思う。来年だけでない、どれだけ老いても病んでも、実際に動いて目新しいことと出会う。知らないことと出会う。そして今のここからは見えないような高みに、昨日よりは今日、今日よりは明日と近づいていきたい。 たくさんの方々の厚意に支えられて今があります。なかでもやはり師には特別な感謝を捧げたいと思います。今年も一年ありがとうございました。来る年が「エンジョイ&エキサイティング!」な一年となりますように。しかしいつも思うのですが、エンジョイ&エキサイティングって英語的にどうなんですか・・?