弟子のSです

武術の稽古日誌

稽古メモ

水曜日の稽古で、前回教わった裏打ちの打撃をできるように(次の稽古に進めるレベルに)仕上げていかなかったため、先に進めなかった。それは基礎鍛錬の腕振りと羽ばたきを合わせたような「落下の勢い」と「腰が先導する一拍遅れのリズム」で打つもの。参考として挙げられたシステマストライキングと蔡李佛拳(さいりぶつけん)の動画を見てはいったものの、相変わらず、できるものはでき、できないものはできない。技の出来具合にはふしぎとグレーゾーンというものがない。できるかできないかだ。裏打ちはその後重ねてアドバイスを頂戴し、今はできるようになった。達成も一、二拍遅れている・・・。

水曜稽古では帰途「勝つとはどういうことか、何をもって勝ちというか」みたいな話をした。ホイス・グレイシーという柔術の人と柔道の吉田秀彦が闘って引き分けた(が、二人の間では勝敗がついていたという)エピソードや、戦い終えて頭の標高が高い方を勝ちとする、漫画『刃牙』でのいかす定義など師から伺う。師のする武術の話はおもしろく、外国人に異国の話をせがむ子供のような心持になる。

勝ち=強さの証明、ということに懐疑的な私が「勝ったからって強いことになるんでしょうか。強さって勝ち負けじゃないと思います」というと、師は、そういうことは勝てるようになってから言いましょう的なことを仰った。「Sさんは観念的すぎます」。

勝った負けたは人間が判定する「主観」や「感性」の話、それに対し、強い弱いは「状態」の話だと思う。