弟子のSです

武術の稽古日誌

年度替わり

・この3月で、子供空手の二人の生徒が小学校を卒業する。
教室からも卒業する一人は、小2から5年間、本当に真面目にがんばって稽古を続けてきた色帯さん。そしてもう一人は中学生になってもやめずに通ってくるという。私が子供空手の稽古に参加しだして4〜5年経つが、これは初めてのことである。

この数年で嬉しかった出来事の一つは、彼らが自主的に用具(鏡)の片付けをするようになった時だ。
それまでは師と私とで鏡をしまっていた。片付けだけでなく作法全般を師は生徒にことさら強要しないし、それを自然なことと受け止めて私もどうとも言わずにいた。するとある日、一人の子が自分からすすんで手を貸してくれるようになった。一人が始めたことで、皆で片付けるのが今では自然な流れになった。
「先生たちが運んでる。自分は運んでいない。運ぼう」。この心の動きを敬意というのか愛と呼ぶのかわからないが、しつけの成果としてでなく、自身の心のあらわれとして、彼らが自発的に礼にかなう振る舞いを始めたことを、私は他教室に誇りたいと思う。

卒業する子のお母さんが私宛にも寄せ書きの色紙を作ってくださった。「S先生へ感謝」とあり、私の方がありがたくて胸が一杯だ。継続する子からのメッセージ「中学生になったらあなたを負かします」に頬が緩みっぱなし。やめないのがこの子自身の意思だと思えば、私の彼への視線はすでに「同志」である。

・3月末時点の組手メーター: 3|44|300

・柔道の型についての課題と、空手の流派についての課題にそれぞれ取り組んでいる。