弟子のSです

武術の稽古日誌

前十字靭帯再建術について

切れた靭帯をどうするか、保存か手術かで迷っています。

前十字靭帯損傷(断裂)については、前十字靭帯再建術という方法がスタンダードとして確立しており、手術しないと治らないというより、手術によって治る(機能が取り戻せる)ケガだといえます。若ければ100%手術を勧めると私の主治医は言っておりました。

どんな手術なのかここにまとめてみます。迷われている方の一助になればと思いますが、寄せ集めの情報ですので古いものもあるかもしれません。詳細はそれぞれご確認願います。

術式:内視鏡により移植腱を用いて靭帯を新たに再建する。腰椎麻酔または全身麻酔で、約2時間の手術。

内視鏡を使用するため傷口が比較的小さく、手術によるダメージが少ない。放置して変形性膝関節症になった場合の手術(人口膝関節置換手術)に比べると低侵襲である。(とはいえ、自己組織の一部を切り取ったり、骨に穴を開けたり、膝関節組織には相応の負担がかかる。)

入院期間:4日〜2週間。抜糸をしてから退院するかどうかによる。

適応年齢:12歳〜50歳くらいまで。年齢が高くなるほど関節や骨の状態が悪くなるが、最近は60代という施術例もある。

費用:入院料・リハビリ・手術費・麻酔費用は、高額療養費が適用されて自己負担は約85,000円。食事代・ベッド代は3割負担で10,000円強。装具も3割負担で約30,000円。総額13万円くらい。(退院後のリハビリ代は別)

復帰時期:日常生活への完全復帰は術後1か月が目安。スポーツ復帰までには約9か月必要(個人差がある)。保存療法と違い、スポーツが全くできなくなる期間ができる。リハビリはきつく長期にわたる。仕事や家族の世話などのために自分の時間を多く取れない場合、せっかく手術を受けても適正なリハビリが行えずに成果を無駄にしてしまう場合もある。

*前十字靭帯損傷では、安定性を損なうことにより運動する時にひざ崩れが起きることが問題なので、運動性の低い人は必ずしも手術の必要はない。また、ジャンプ着地やカッティング動作の少ないスポーツでは保存療法で十分復帰できる例もある。ただし保存療法の場合、時間経過とともに内側半月板や軟骨が傷ついていく二次損傷のリスクがあることを知っておかなければならない。二次損傷が起きると再建術自体が難しくなる場合もあるため、手術についてはタイミングの見極めが重要である。