弟子のSです

武術の稽古日誌

ガソリンは走らない

昨日、師から聞いた話。

ある人が四輪車でサハラ砂漠を縦断していたところ、アクシデントにより車が走行不能になってしまった。水と食糧は10日分あるが、底をつくのは時間の問題。Sさんならどうしますか。

その人は四輪車を分解してなんと二輪車に改造し、砂漠を脱して最寄りの村に辿り着いたのだという。手作りのバイクは元シトロエン製のナンバープレートまでついてお茶目な仕上がりだ。

http://rocketnews24.com/2012/05/28/215567/

「これが武術です」。

私だったらどうするか・・・持ち前の強運を活かして、水をちびちびやりながら、本とか読んで車が通りかかるのを待つかなあ。そうすると来るのだ、車が。「他力本願ですね」。

「我々は手段の専門家です。それを学んでいるのにあなたは思いや情熱というようなものをもって、周囲にそれを分からせようとします。それをやめろ、他人にとっては感情は無意味である。

・見て分かる説得力の「量」である実力

・誰が聞いても理が通っていると考える「質」としての手段

・表現のクオリティ

これらがなければ、思いや情熱は意味がありません。それらはガソリンであって、エンジンでもタイヤでもない。ガソリンは走らない」。