弟子のSです

武術の稽古日誌

That's reality.

あなたはこれから一人ぼっちになって、誰からも相手にされなくなるんだ。 あなたは若い時は、自分で帯を締めて行きたいところへ行っていた。しかし年をとると両手を伸ばして他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。(ヨハネによる福音書 だからと言って、どうすれば。ありとあらゆる性質の人間がそれぞれの主観に従って動いているこの世界で、私を含めた全存在に矛盾のない解なんて、どうやって。 まず大原則で死なないこと。 ただしここで生かすべきは、現行の自分ではなく未来の可能性としての自分です。 その次が楽であること。 武術の本義は自由の獲得、知覚と認識の変革です。留まろうとすること自体が悪であり、留まるときが死です。これは進化の歴史が証明しています。・・生物はみな、生きるために必死で新しい性質を獲得してきた。より理に適うように。自然界は常在戦場そのものです。逆に言えば自分が理に適っているかどうかは闘争、比較という状況の中でしか知りえません。 理に適っていれば苦しみはないはずで、苦しいのはどこか理に反している、無理をしているのだ。私の一番の問題は、無理を思い知らされていながら従来のやり方に固執していることだという。 あなたがするべきことは解を求めることよりも、解を導き出せる性能を身につけることです。 『リアリティのダンス』という映画に、岩場から身投げしようとする少年のところへ未来の自分が現れて、彼を後ろからそっと抱いて「死なないで」と押し留めるシーンがあるのですが、たとえば自殺がなぜ悪いかと言ったら、周囲の人間に対してもそうですが、何より未来の自分に対して愛のない行為だからでしょう。未来の自分が生きている、それが正しい道筋である。その道を見分けられる性能を身につけること。