弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

歩法・走法の講習会 at 戸山公園。見知った顔が集まる。定刻直前に師はコンビニでアイスを買っておられ、食べる時間があるのかしらと思っていたら、食べながら説明を始められたけど特に驚く人もいない。すると脇から「あのう・・」という感じで初参加の若者が現れた。ネットで見て講習会のことを知りましたと、スイカバー片手の講師に自己紹介している。彼を入れて参加者は4名。

全体的な内容の説明は主にこちらこちらの記事に沿ったもの。

実技はまず、体の前に差し出した刀の重みを推進力にして進む稽古から。刀vs短刀で、短刀で進んでゆき刀の間合いに入ったらかわす。次に徒手で、姿勢を手から操ることで自重を推進力にする稽古。手に刀を持って走ったり、忍者走り。八卦掌酔拳の動き、八極拳の頂肘、太極拳の転身擺蓮など。

相手の攻撃を手や体軸の回転によってかわす。1対1、1対多。

あと最近レギュラーの稽古で繰り返している、陰の力の使い方もやる。落とす・押す・引き込む。

時間の終わりに首締めからの逃れ方を稽古したが、私はかける方の首締めが正しくなく、そちらを教わる。その後、恐縮しつつリクエストして今日のテーマと全然関係ない腰投げ・背負い投げ・一本背負いをよくよく見せてもらう。

陽の傾いた屋外での稽古は蚊との戦いだったが、現場ではAさんが避雷針のように蚊を一身に引き受けてくれ、顔から脛からボコボコになりながら虫除けスプレーまで買って皆を守ってくれた。

稽古後は台湾料理。アドバイスの覚え書きと、思ったこと。

・攻撃を見過ぎ。打撃を見て避けていたら遅れて当然。「観察」や「手順でなくビジュアルで覚える」が大切だからと私は組手でもじっと相手を見ているが、見どころがまずいのが受けにも技にも影響する。たとえば「眼前に小手が現れたら小手返しの好機」と覚えていても、手首をしっかり固めている人にはかからない。目の前の小手を見るのでなく、その小手の様子がどうなっているかを「観る」・・その人のどこが緩み、どこが力み、何をしようとしているのかを、相手の全体を見て瞬時に理解しなければならない。同様に、話を聞くのも「聴く」でなければ。私は、Sさん何を聞いてたの、と言われることが多いから。

・流れや攻め方は経験でわかる。無限のバリエーションを持つものを、単語帳の単語を暗記するようなやり方でわかろうとしても無駄。

・「歩いている様子を見て稽古していないなと思った。もったいないです」。歩いていてできる丹田の鍛え方を教わった。あと心構えの問題を指摘されてもいるようだった。気を配るとか、隙を作らない、つまり万物に礼を払うという。上達は歩き方とか居方に出るものなんだな。

・話を聞きながらわかるところもわからないところもあるけれど、理解を急がない。「未知のことを、自分の知っている言葉でまとめない」。そういうのが怠惰と言われるのだ。

わかってみなければわからないってしんどいなあ。笑いながら日々を送れるようにがんばろう。

講習会は月例にするかもしれないとのことなので、これからもよろしくお願いします。