弟子のSです

武術の稽古日誌

昨日のメモ

昨日は初めての場所で稽古。板橋区にある東板橋体育館というところ。スポセンが改修中なので道場を転々としている。

組手が課題なので見ていただく。拒絶感がすごいといわれる構えの硬さをとるところから始めて、上下の羽ばたきが柔らかくできるようにし、それから対人稽古に移行、徐々に組手に近づいていった。

ディフェンスをしないこと。ディフェンスは壁であること。ダメ。太極拳でない。従う。(注・ここでいう「ディフェンス」とは硬直、体の防衛反応のこと。詳しくは師のコメントをご参照ください)

私「それだと相手の思うツボになりませんか」師「思うツボにさせるんです」。

言われた通りにして組手するとささくれた感じにはならず、心のどこかに花が咲いたような、時々は動作がシンクロして笑いがこぼれるような組手になるのだった。

今回の組手は褒められた。「この感じを本当に忘れないでくださいね」と、本当に、に力を込めて念押しされた。合わせてくれる師とでなくとも、どんな違う相手、どんなタイプの相手に対しても、同じ感じを保つこと。

稽古後に十条の「斎藤酒場」という、かなり年配のおばさん方がきびきびと立ち働いている気持ちのいい酒場に寄る。お客の年齢層も高く、常連の男性客が多いようだ。おばさんの温かく丁寧な人あしらいが印象的。たとえば、一人で呑んでいる60代とおぼしき男性に

店員さん「コートの裾が床に着いてるわよ」男性「安物だから別にいいよ」店員さん「こうすれば着かないわよ、ほら」・・・

なんて言ってロングコートの裾を後ろからたくし上げてベルトに挟んであげている。美しい光景だと思った。練り辛子をちょっとつけて食べる、初めての煮こごりもおいしかった。