弟子のSです

武術の稽古日誌

カフェで働く1

ツイッターでは既に一人で大騒ぎしているのですが、某チェーンのカフェで今月から週3回働くことになりました。そこでの体験が武術的な示唆に溢れているので、バイトの話題も今後日誌に載せていこうと思います。

先日の地獄の(※個人の感想です)実地研修を通して、私はいわゆるマックジョブ(誰にでもできると言われる仕事)の方がハードルが高い「稀有な」資質の持ち主だという事実を思い知らされた。共に研修を受けた人が3時間のうちに慣れてなんとかこなしていた仕事が、私には全くできなかった。見る人はそれを歳のせいと思うだろうが、たとえ20歳30歳若くとも状況は変わらなかったろうという妙な確信がある。得意なことを仕事にし、在宅で人を気にする必要もなかったから、欠点に無自覚なままここまでこられたのだ(師にだけは従前から声高に指摘されていたが)。

苦が苦でしかなかった若い頃なら事後に速攻でばっくれていたかもしれないが、今は修行の甲斐あってか苦をどこか他人事のように眺め、苦の種(問題)を洗い出し対策を立てようとする、そのことに面白味すら見出す自分がいる。自他共に(この人この仕事に向いてないな)と認めざるを得ないようなこの状況が、工夫で克服できるものか克服できないものかを見極めるまではこの「出稽古」を続けるつもり。

当日ざっくり一連の操作を教わりはしたものの、ほぼ「丸腰で戦場」状態でレジに立ってお客さんと対峙し、私は終始パニック状態でいくつかの笑えないヘマをした。それで今現在、接客がすっかり怖くなってしまっている。この恐怖をどう乗り越えよう。癒されることには、ネットを覗くと接客で同じ悩みを抱える人が結構いて、こぞって知恵者に助けを求めているのだった。「慣れです」「最初はつらいのが普通。がんばって」といった回答が多い中、こんな具体的なアドバイスが。

「例外を含めて発生するであろうことを細大漏らさず書き出してみてください。ソフトウェアを作る人(SEやプログラマー)は想定できるあらゆることを細大漏らさず仕様書に書き出し、それをもとにプログラムを作って、誤動作しないかテストを繰り返します。あらゆることを書き出したつもりでも、新たなルールのかけあわせや見落としがあったりするかもしれません。パニックになるのは十分に想定できていないことも大きいのではないでしょうか? 書き出すと、結果としていろいろな場面をシミュレーションすることになるので、あわてる場面が激減するように思います」(YOMIURI ONLINE発言小町』より抜粋)

「武術を」考えるのでなく「武術で」考えろと師は仰ったが、今の私には「武術を」考えているような余裕はない。「武術で」考えざるを得ない。この仕事を遂行するにあたり「私」が全く頼りにならない、あきれたデクノボーであることがわかったからだ・・・・