弟子のSです

武術の稽古日誌

稽古メモ

2|15|300

300本中15本の組手を終え、うち、Sのポイントは2本。

何を「1本」とカウントするかについて、先日説明を受けた。

1. 文句なしのクリティカルヒット(致命的な一撃)

武術において組手は「競技の練習試合」ではなく「殺法の模擬戦」なのだから、カウントの目安は当然これしかないと私は思っていた。命を取られたらおしまいなんだから、相手が私から1本をなかなか奪えず、疲れたからやめましょう、となれば上出来だと思ってやっている。

説明によると、師が1本にカウントするのはそれだけではないとのこと。他の要素として挙げられるのは、

2. 現時点でのその人のベストの一撃
3. ペナルティとして取られるもの
4. 礼にかなっているかどうか

等々。私が中段突きで師から取った2本は、隙のあった師ご自身のペナルティとしてのカウントだそうである。それなら納得だ。

組手の内容はもちろんだが、何をもって1本とカウントするかも、その人の武術(という思想)の表現といえよう。「何が命を失わせることになるか」。その認識が共有されていない人との間では、だから、組手で勝敗の認識が一致しないこともあると思われる(真に確かめようとすれば人死にが出るからです)。長く言われてきていることだが、ここでもやはり、大切なのは感受性と論理力と想像力なのである。

何はともあれ、思想の表現であるからには、私の場合は「太極拳を修めている人らしい」組手になっていなければ嘘だ。ということで、次回に向けて鋭意改良中。