弟子のSです

武術の稽古日誌

そこじゃないんだ母さん

大昔、母のここがおかしいと思うところをよく本人に怒ってた。どこがどうだからどう悪いと理詰めで咎めていたけれど、いつのまにかそれをしなくなったのは、彼女には理屈が通じないとわかったからだ。どんなに言葉を尽くしても、母にわかるのは「なんだか娘がすごく怒っている」ということだけ。でもって、さんざん説明した後に「そんなに怒って、近所に聞こえるよ」なんて返事が返ってくる。何一つ変わることはない。そう悟った時に、わかってもらうことをあきらめた。

母とのことを思うと、師のいらだちがわかる。