弟子のSです

武術の稽古日誌

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の出来事

この穢土がすなわちエデンにほかならぬ。 鈴木大拙『東洋的な見方』。東洋思想について駆け足で学んだおかげで、わかるわかる!表現は違っても、あれもこれも、講義で師が仰っていたなあ、というのがわかる。鈴木大拙という人はアメリカ人の奥さんを持つ仏教…

弟子と呼ばれし人々5

貧乏の極みから、百閒先生は師夏目漱石が自分に書き与えた大切な掛け軸を人に譲る決心をする。細君を先方に遣わし、微々たるお金を手に入れる。内田百閒『貧凍の記』より抜粋。 ・・先方の主人は、軸を繰りひろげてしけじけと見ながら、かう云つたさうである…

今日のお稽古

普段は幼稚園児をやっているMくんが週イチ60分の稽古であれだけ上達するのだから、稽古は頻度よりどう取り組むか、その「どう」も努力でなしに何か別のもの・・ただの竹でいること・・がどれだけ大切かってことだ。 いかに自分を、感情や執着や欲などの余計…

今日の出来事

武術をやっていて例の「何をやってもダメなんだ!向いてないんだ!」を繰り返すことは相変わらず多いけれど、自己愛、劣等感、達成志向・・そうしたノイズを取り払って、純化した最後の最後に残るものが「ダメ」だったとしたら、その「ダメ」は悪くないもの…

今日のお稽古

大塚にてマンツーマン30分+子供空手教室50分。 道(タオ)について。タオはルート、ライン。つなぐもの。タオに反することはうまくいかない。ぶつかる、というのはタオに反したことをするからだ。自分の中のタオは経路、自分と人とのタオは関係性、剣のタオ…

課題まとめ

「Sさんは自分で自分の修行を片っ端から台無しにしていくし、それを何度も積み上げる私も疲労が尋常ではありません」 申し訳なさに身が縮む思いだが、それでも、師に稽古をお願いするしかない。 弟子というのは研究助手のような存在だという。いやしくも弟子…

今日のお稽古

中野CMBトレーニングセンターにて武術交流会。師を含め3人の先生に教わる。ふだんの稽古が90分なので、指導者3名で2時間はまたたく間。しかし金曜日の教室では師の言わんとすることがすぐ飲み込めるのに、交流会ではそれが難しく、クエスチョンマークを常に…

今日のお稽古

護身術+太極拳。 護身術は単推手の稽古と、そこからの技いろいろ。攻めてかける技と、押されて受けてかける技。 自分のひじをどう使うか、相手のひじをどう扱うかがポイントだと思って見た。相手が咄嗟に解くことのできない形にもっていくのは、技の理をわ…

今日のお稽古

東洋思想の講義第2回。逍遥し、お話を伺い、逍遥し、お話を伺う。 「術」「名を与える」ことの意味について。インド神話に登場する神々(アスラ神族vsディーヴァ神族)について。行き当たりばったり、予測のつかないのを楽しむことについて。「目的意識を持…

今日の出来事

昨夜テレビで長谷川きよし(65)が歌っているのを見て、こんなにカッコいい人だったかしらと驚いた。男の人って、カッコよさの旬が何歳で来るかわからない。もし自分が男だったら、そこをアドバンテージだと思うと思う。 近所の小学校の体育館で新陰流剣術の…

今日の読書ほか

『Sunny』5巻。今回きいちゃんの出番が少ない。 前田英樹『剣の法』。特徴のある文体で読むほどに気分が高揚してくる。師のもとで学んでいなければこの本の内容を少しも理解できなかっただろうと思うと、修行という経験の与えてくれる豊かさを思わずにはいら…

父の日

生活行動とは以下の四つに大別できよう 1 やるべきだし、やりたい事 2 しなくてよいが、やりたい事(例:遊興、趣味) 3 やるべきだが、やりたくない事(例:家事、社交) 4 しなくてよいし、やりたくない事 ほうっておくと1と2ばかりになりたがる生活に、3…

うー・・

うちは半端な二世帯住宅なのだが、外出から戻ると部屋の様子が微妙に変わっていることがある。洗濯ものの干し方がほんの少し変えてあったりとか、鉢の植木に水がやってあったりとか。 時々は見かねて母(実母)に注意する。 私「やめてね」 母「水が足りてな…

今日のお稽古

昨日、師は「理は情に勝てない」と仰っていた。自身を省みるにつけ、感情は確かに暴君で手に負えないやつだけど、そこを超克しようと頑張ってるんだから勝ち目がないとは思わないことにする。師はいわゆるその、シニカルな表現をされたのだと思う。 護身術+…

今日のお稽古

池袋。座学で、東洋思想について。自力で整理して理解するには巨きすぎ、また武術との関連で理解しなければ意味がないと考え、碩学の人・師に教えを乞う。 洋の東西にはじまり、密教、仏教、神道、儒教、禅宗、タオイズム、気・・・。話はジェンダーから忍者…

今日の出来事

ひじはきょうも回る。できるようになってみると、できなかったのが噓みたい。 映画レディース・デーなので新宿へ。私がつねづね心情的に共鳴するところの、ゲイの女役が主人公の映画を観る。話は今ひとつな感じだったけど、彼っつうか彼女が最後にうたう歌が…

回って回って回って回る〜

「手首固定のひじ回し」ができるようになった! それは腕をまっすぐ伸ばして、手首から先を動かさずにひじだけを内転・外転させるというもの。師に初めて見せていただいてから長いことできなかったが、昨夜ふと、こうあって欲しいなというイメージを記憶・定…

♪勉強オレ2

人間は飛べると本気で考えた人がいたから飛行機はできた。人間には無限の可能性がなくもない、とはそういうことだ。人間は飛べないと決めることはその可能性に蓋をすることだ。変わるために稽古しているのに、変わらないのを前提に話をしない。 ・・みたいな…

オランウータンは森の人

・・・けれども僕の人間的な性格は、氣質上にも思想上にも、老子の自然主義と共鳴できない。僕は老子を崇拝もしないし、況や彼の教徒にならうとも思はない。要するに老子の思想は、僕にとつて興味ある他山の石である。(『谷神不死』萩原朔太郎) 読み手にさ…

けっこう卦だらけ

細胞の動きをブラウン運動になぞらえるというのを稽古でやったけど、人間の活動もブラウン運動のようなものだと思う。私も含めてわやわやと人は動いている。その中でたまたま私と接点のあった人になんらかの出来事が起きる、それを「卦」として捉えて、自分…

今日のお稽古

護身術+太極拳。 自立する、バランスを保つ、保ち続ける稽古。 ポンで構えた腕に対して様々な位置で力を加える。加わった力だけ押し返して不動を保つ。同様に両肩を押されながら、バランスを保ちつつ座り、その後立つ。同様に胴を押される力に対してバラン…

本とエプロンと木刀

タオタオ言っているうちに老子に流れつき、加島祥造『伊那谷の老子』、萩原朔太郎『谷神不死』、ドリアン助川『バカボンのパパと読む「老子」』と続けざまに読む。萩原朔太郎とバカボンがおもしろくって寝不足気味。それから「仙学研究舎」というサイトで仙…

弟子有三種類型

師にお会いするまで恩師というものを人生で持たずにきた私には、師弟とは畢竟どういう関係であるのか、弟子たる私は師にとって何なのか、そこが今ひとつわからない。 先日の座学で、弟子には三種あると師は言われた。Sさんは自分をどの弟子だと思いますか? …

昨日のお稽古

頭でする決心など何にもならないとつくづく思い、「ただやる」をよい監督者・伴走者のもとで行いたいと、そればかり。その伴走役を師にお願いするのはいくらなんでもなぁ、と思っていたのが「補習」という形でなら付き合ってくださるとのことで、久しぶりの…

今日の出来事

ヘッセ『クヌルプ』最終章。 恵比寿で都築響一「独居老人スタイル」展。「ぐあいのいい若い頃はもてたが、病気になり年をとる身となってはひとりぼっちであった」クヌルプの最期と重なってタイムリーだった。私もいずれ独居老人になる予定だが、何ていったら…