弟子のSです

武術の稽古日誌

日記

鶏むね肉問題[実践編]

前回の記事を研究編とすると、今回は実践編だ。「研究者」としての考察をふまえて、次は「実践者」としてもう一歩踏み込んでくださいと師に言われたのである。 ネットの適職診断などで、私は「研究者」向きだといわれることがある。確かに、ネタを集めてはあ…

ビバ、ぷよ碁

師匠に教わった無料ブラウザゲーム「ぷよ碁」で遊ぶのが習慣になった。本来の19路盤とちがって5路盤と7路盤しかないので、鍋でお湯を沸かしている間に一局打てるのがいい。 ぷよ碁のすばらしい特徴、それは ・碁石に表情がある!盤面で戦いが起きると、優勢…

へなちょこ亭日乗

昼過ぎ、三十七式太極拳クラブの稽古場所である、小金井市婦人会館の抽選に行く。定刻に抽選会場に集まった団体の中でくじ引きをし、番号の若い順から場所取りをしていくので、早く到着してもくじ運が悪ければ長く待たされることになる。(とは言っても古い…

母の贈り物

太極拳をしていれば、呼吸がゆったりと整う套路の動きが癖になっている人も多いだろう。私も家でよくやるようで、娘がスマホで撮った日常風景の端っこに、私が写り込んで樓膝拗歩してたりする。 先日のことだが、茶の間の介護用ベッドに横になった母が、私の…

丁寧に負ける

感染防止に配慮しながら週1回のペースで稽古を続けている。先日は雨天だったので、体育館内の道場で久しぶりに投げ技ありの組手をした。私がうまく受け身を取れなくなっていることに、師が驚き嘆いておられた。自覚するのは、以前にも増してスタミナがなく…

稽古メモ〜重心を外に出す〜

小金井の太極拳教室は5月22日から屋外(小金井公園)で稽古が再開されている。元の講習場所である市民体育館もビジター利用は再開されたため、晴雨にかかわらず稽古ができるようになった。再度、再々度の感染拡大が起きないことを祈るばかりだ。 稽古日誌も…

遠隔稽古

太極拳教室の再開がいつになるのかの見通しも立たぬまま、家で套路(とっても気持ちいい)と、オンラインレッスンの課題にとりくむ日々。実地の稽古であればタッチやニュアンスといったものから学ぶことができ、間違いもその場で指摘され直してもらえるのに…

稽古ノートから

中華剣の対人の型稽古では苦戦されている方も多いかと存じます。参考になればと乱筆の恥を忍んでノートの図解をアップします。(最後でふりだしに戻り、ループする。)半身になり両方の前腕を上げる最初の構えを「ひ」と表現しています。そのほか解読しづら…

今夏の覚え書き

あれよあれよという間に夏が過ぎていった。この夏の特記事項。 ・前回の記事で自分のひざの怪我について書いてまもなく、師が稽古中に右ひざを負傷された。靭帯損傷ということで、2か月経とうという今でも少し足を引きずっておられる。怪我された翌週か翌々…

サードウェーブきました

2009年に太極拳を、数年後に武術を習い始め、2012年の稽古中にひざに大きな怪我をした。前十字靭帯を切ってしまったのだ。歩いていてもがくっとひざが抜けて転んでしまうような状態で、当時は師を灯台に暗中模索するような毎日だったから、私は松葉杖でおろ…

近況

このところ私の生活配分は、週1〜2回の武術の稽古のほか・隔週の囲碁教室・要支援の母の生活介助・小鳥(めっちゃエモーショナルなコザクラインコ)の世話 こんなあんばいで、道場通いに座学に遊行に、つまり稽古に明け暮れていた頃とはだいぶ事情が変わっ…

武術ゆく年くる年

今年もあれやこれやと課題を残しつつ暮れていこうとしているが、年内最後の稽古で面白いことを教わったので図説する。それは突きへの対応に関することだ。 ①まず、突きを手の甲で受ける。これは普通に痛いし、相手の力によっては手を破壊されてしまうかもし…

快食、快食、快食

私は実用書などにイラストやカットを描いているのだが、長く描かせていただいているジャンルの一つに「訪問歯科診療」というのがある。高齢や障害等で通院が困難な人のための、歯科の往診サービスのことである。 先日、クライアントの会社に招かれて初めて学…

遊行

師から紹介された映画「ミスト」観る。陰惨なまでに救いの無い話であるにもかかわらず、どういう種類の心の動かされ方をしたのか、見終わって目から水が一杯出た。人間性の深淵に迫るすごい作品だ。映画はハッピーエンドでなきゃと長く決めてたけど、こうい…

稽古メモ

最近「シンギュラリティ(技術的特異点)」という言葉を耳にする。人間のAIに対する優位性が逆転する時点のことをいうのだそうだ。 たとえばAlphaGoはディープ・ラーニングという学習能力を獲得し人間の棋力をあっさり抜き去ってしまった。「手筋」より「学…

稽古メモ

キリスト教の世界観を十字架が象徴するなら、太極の世界観を象徴するのはおなじみの である。白黒の要素を「両儀」と呼ぶそうだ。すなわち「陰陽」で、天と地・男と女・太陽と月・昼と夜・動と静・明と暗・・など相反する性質のものを指す。この二つの要素が…

死と踊れ

組手メーター: 3|46|300 この長距離走のような稽古について、師に「私を戦闘不能にしようとして取り組んでますか?」と尋ねられた。私は「1本取られるまでの時間を少しでも長引かせようとしてやってます」と答えた。師を戦闘不能にしようなんて滅…

年度替わり

・この3月で、子供空手の二人の生徒が小学校を卒業する。教室からも卒業する一人は、小2から5年間、本当に真面目にがんばって稽古を続けてきた色帯さん。そしてもう一人は中学生になってもやめずに通ってくるという。私が子供空手の稽古に参加しだして4〜…

稽古メモ

組手メーター: 2|41|300最近心に残ったこと。子供組手の時間、師が皆を座らせて次のような話をしていた。「周りが目に入らなかったり、集中していないと、どんなに力や技があっても危機に気付かない。それは死にやすいってことだよ」。そして生徒に…

稽古メモ

昨日の稽古に師の知人と、その後輩の方が2人いらした。合気道・空手・柔道のそれぞれ上級者で、迎える側としても興味深い面々であった。稽古を通して各々の動きや立居振る舞いの違いを知ることができたが、その「キャラ」がもともとの人柄なのか、修めてい…

稽古メモ

2|15|300 300本中15本の組手を終え、うち、Sのポイントは2本。 何を「1本」とカウントするかについて、先日説明を受けた。 1. 文句なしのクリティカルヒット(致命的な一撃) 武術において組手は「競技の練習試合」ではなく「殺法の模擬戦」なのだ…

S-METER

「今年は組手を300本やります」と年初めの稽古で言われ、以来、例によって訳のわからぬまま、コツコツと(?)お会いするたびに3本ずつ師と組手している。 2|12|300 数字の見方は、300本中12本の組手を終え、そのうちの2本をSが取った、ということ。…

稽古メモ

過去記事で、組手で攻撃をくらうほどに「情けない」という感情が押し寄せてくる、と書き、その理由について考察したが、最近では単に「蹴られるとなぜか悲しみ物質が出る私の脳」とだけ捉え、そうした一過性の情緒の反応は脇に置いておくことにした。重要な…

観察する稽古つづき

ツイッターでご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、水曜日、稽古場所である巣鴨のキャラクター「すがもん」を師とともに凝視、道場で再現してみました。 すがもん by 師 by S 私の再現力にいささか驚かれた様子の師は、私の消しゴムを指し「もう一度…

観察する稽古

1月も早や半分過ぎてしまいましたが、今年もよろしくお願いします。 前回の記事の最後に、自分は物事を「印象」で捉える傾向があると書いた。私はコミカルなイラストを描いてお金を頂いているが、思えば職業選択の妙というか、日々やっているのは印象やイメ…

稽古メモ

まずは覚え書き。 直近の稽古で、・座位で対向した相手の両手首を押さえ、そこから腰に働きかける(立たせない)・提手のかたちで相手の腕をとらえ、肩を極めて全体に働きかける(崩す)というのをやった。接点である手首や腕に力を込めてしまい難渋する。と…

稽古メモ

先週の金曜稽古で、師に強い調子で言われたこと。 問いを立て直すな。 「なぜ太極拳はゆっくり動くのか」「なぜひじを曲げないようにする(=掤を張る)か」「なぜ靠は・・」「なぜ・・」武術に関する基本的な問いについての答えは何度も言葉で説明されてい…

一人稽古メモ

・中二病と師にいわれる私は自意識対策に俳句を詠んでいる。落ち着いて順序よく考えれば詠む対象と自分とは同じものなので(むずかしい言葉で「梵我一如」という)、対象に対して直(ちょく)であれば、それは自意識なんて上っ面のものでない、本来の自分が…

カスタネダ読み終えた

カスタネダのドン・ファン本6冊を読了。終わってみれば付箋でいっぱい。神秘的だ、トリッピーだと受け取られ、もてはやされたシリーズらしいが、私にはごく実践的・普遍的な内容に思えた(巻によります)。「呪術」という言葉が交霊とかその筋の印象を与え…

弟子であろうとするSです

「守る」と「受ける」は違う。「守る」とは「攻め込まれないようにする」ことで、それを形にしたのが「構え」だ。 このことを教わるきっかけになったのは、昨日、師と次のような姿勢で対峙していてのこと。下図のBが打ち込むのを、Aが揚力を使った刀さばきで…