弟子のSです

武術の稽古日誌

♪勉強オレ

蘇崑崙「西洋科学の分析は力学的な部分では有効だが、それでは中国武術を半分しか理解したことにならない。人間はロボットのような機械ではない。人体の三分の二は水分だし、人体を動かしているのは宇宙に満ちている「気」のパワーだ。ここから出発しなければ中国武術の神髄は永遠に理解できないだろう」(『拳児』) 一神教に基礎をおく西洋合理主義とともに長く暮らしていると全然わからない、生活史からごっそり抜け落ちているのが、こうした「気」関係だったり、無為や非思量、空やら相・卦といった、とにかく何やら実体のない、つかみどころのない世界だ。 春先から仏教がマイブームになり、これで私も東洋思想の理解の端緒をつかんだとか能天気に思っていたけど、師のブログの記事を読むにつけ、そういえば東洋思想には仏教の他に儒教道教もあって、ぜんぶ別物なんだったと今さらながら気づいた次第。ひとくちに「欧米人」といってもアメリカ人とイギリス人では気質が全く違うようなもので、世界って複雑だなあと思う。しかしながら、部分の複雑さと全体の単純さとはフラクタル図形のようにおそらく同時同一のもの、複雑さにひるんではいけないし、どちらに見方が偏ってもいけない。精進精進。 fractal.jpg