「どうで死ぬ身の一踊り」
提手の形をつくり、重心を丹田に落とし、一番頼みやすい次女に片手を引っ張ってもらう。引っ張られてる手から後ろ足に、そこから床につながって安定をはかる。「ときどき手を急に離してみて。」床に根を生やしてるから、ぐらつかないから・・・ドスン!「ママ、普通に転んだね」
しかし何度も繰り返しているとそれなりに安定してくるものだ。
理研の笹井さんの訃報に接して、強さとは死ににくさだ、と改めて。
死ぬくらいなら他に何だってできるじゃないか、田舎に引っ込んで野菜を作って暮らすこともできたじゃないかと思う。死をリアルに意識したとき、自分ならどうするか。何をしたいか。師のまだ知らない敵(=老い)と、ひと足先に私は戦うんだけど、敵前で自分から死んでどうするんだ。
自分の命の所有権は自分にある、というのは根拠がありません。たまたま自由にすることが可能である、という立場にあるだけです。
表題は西村賢太の小説から。
何はともあれ、この夏のおとも「冷やし甘酒」がうまか〜。