弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

川島なお美、享年54歳かあ・・。50過ぎると死がリアルに感じるなあ。

武術の稽古を始めた頃は師の仰る「いつ死んでも悔いのないように毎日楽しく生きる」が納得ゆかず、「毎日楽しければそのぶん死ぬのは惜しいにきまってる」とか思っていたが、いつからかその言葉はすとんと腑に落ちて、いまや「毎日楽しい」と「いつ死んでも悔いがない」の間にはなんら矛盾がない。

護身術+太極拳

護身術では四股と、四股の重心移動・足使いの用法をやった。

まず太極拳の金鶏独立(腰を落として同側の手足を交互に上下する型)を繰り返す。上げた足を落とす際、上げている方の足でなく軸足を(鼠径部を折って)沈めることで落とすのがポイント。慣れたら足を肩幅くらいに開いて同様に行う。これでもう四股っぽくなる。その後、足を開いた姿勢から片足に重心を乗せていき、その軸足の鼠径部を伸ばすことでジャッキを上げるように残った片足を引き寄せる、という動きをやった。雲竜型の土俵入りの時の足使いである。

太極拳の歩法も、まず軸足でない方の足を探りを入れるよう差し出し、その後ゆっくりとそちらの足に重心を移していくが、その際の残った足を引き寄せるのと同様の要領。行きつ戻りつすれば雲竜型の四股、一方向に進むと尺取り虫、そんなイメージ。

軸足で体を落とす要領と、ジャッキを上げる要領とでいくつかの用法を稽古した。

そのあと太極拳の時間に套路をしてみると「軸足のジャッキを上げて残った足を引き寄せる」動きがいかに多いかに気づく。それがまたとても気持ちいい。雲竜型の四股も気を配る点が多いが、慣れると気持ちいいものだ。続けるとバランス感覚が良くなるのをはじめ色々いいことがありそう。

ネットの動画でよいお手本を見つけた。待ち時間に四股を踏む白鵬

https://www.youtube.com/watch?v=5UNANsMxZVg

鉛直であるべきところの鉛直が保たれている。つま先とひざ頭の向きも揃っている。見事!

護身術では、それから捕縛術をやった。自分の片手を空けて相手を捕まえるには、相手の身体のパーツをなんかかんか重ねたり絡めたりして封じることが必要。それを師は感覚でやってのけるが、「ここをこう封じると動けない」という感覚を養うために、うつ伏せになって横に伸ばした相手の腕の2点を押さえて起きられなくする稽古をした。

太極拳では、呼気と吸気とを意識する稽古。人は吸う時に重心が浮いて体が軽くなり、吐く時に重心が落ちて安定するのを、立ち姿勢を作る・呼吸を感知して相手を動かすなどして確認。

それから四正推手をやった。

四股(自分が立つ)にせよ捕縛術(相手を立たせない)にせよ、バランス感覚がものを言う。虚実を分けて動く(つまり常に軽く片足立ちしている)太極拳しかり、話にきくコンタクトインプロビゼーションカポエラしかり。で、師に呼びとめられて言われることには「感覚を養うのに卵を立ててみなさい」。条件は生卵をつかうこと、最初のうちは下にお塩を撒いてもいいこと。

家に帰って早速トライしたところ、お塩を使えば楽勝だということが判明。

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卵が立っている光景ってどことなくシュールで、お塩なしで立てられちゃったらちょっと怖くなるかも・・・。