弟子のSです

武術の稽古日誌

我執を捨て、自我を確立せよ

「自分」について、師が口を酸っぱくして言われるフレーズがこれです。執着にもさまざまありますが、我執とは自分へのとらわれ、自分が正しいと思う心です。それがなぜいけないかというと、武術は人に通じて初めて術であり、戦いの主体は自分ではなく常に相手側にあるからです。そこでは相手にとってどうかだけが重要で、自分がどう思うかははっきり言ってどうでもいいのです。

また、「自分のことは自分が一番よく知っている」と人は思いがちですが、「自分のことは自分からは決して見えない」というのもまた、人間の目の構造からしても真実で、つまり、自分から離れた視点を持つように心がけること=自分を客観視することが大切です。

私はこういったことを最近ようやく理解し、理解はしたけれど、我執やもろもろのとらわれから解放されるのは本当に難しいことで、それがこのブログを立ち上げた理由になっています。とらわれない文章をと努めていますが、つい「私が私が私が」となりがちなので油断がなりません。

さらに続く「自我を確立する」とか、本当の自分を見出す、については、もうまったく私は語るすべを持たないというか、五里霧中の状態で、どういうことなのかちょっとでも知りたいと思われる方は師のブログで「自我」「我執」など検索してそちらを参照していただくとよいかと思います。