母の大掃除を手伝う
母74歳は今冬両ひざの調子がよくない。片方だけでも不便なのにどんなに大変だろうと思うけど、高い位置にある換気扇を掃除すると言う。踏み台を換気扇下にセットして登ろうとするから、仕方なく手伝う。換気扇カバーを開けてフードをのぞく。うわっ。
私「これさあ、外したカバーと換気扇だけ洗うんでしょう?フードの中は拭かないよね?この油汚れ・・」
母「拭くんだよ」
私「中は見なかったことにしない?」
母「いい、私がやる」
重曹を手にすると強気だ。私の拭き方では満足しない。気のすむようにしたらいいと思い、ようよう登らせて、ぐらつく母のスモックの裾を押さえる。フードはまだら模様になって閉じられた。
早朝に目を覚まし掃除のことを考えると、気の毒に、もう眠れないと言う。暮れは嫌だと言いながら、憑かれたように。昔からずっとこうだ。両親以外の価値観を知らなかった頃はつらかった。大人になって本当によかった。掃除の合間に次女とどうぶつ将棋をする。
今朝は雨の中、ベランダ磨きを手伝う。ほっかむりの母は差していた傘を途中で捨てた。大丈夫なのかな。ちょうどいいおしめりだ、と言っている。