弟子のSです

武術の稽古日誌

タコになる

太極拳はゆっくりとした動きが特徴だが、敵にとって、ゆっくり動く相手というのは実際どうなんだろう。漫然と動きが遅いだけでは、それは「のろま」。単にボコしやすい相手でしかあるまい。ゆっくりしていることが敵へのプレッシャーになるためには、動きが柔らかく強靭でなければならないし、重心が安定していないといけないだろう。師の言われる「柔らかいけれども芯のある、しなる竹のような」そういう体作り。それをして初めて、どう攻めてもかわされ受けられて効果がない、速さ強さが伝わらない嫌な相手になれる。 そして太極拳のもう一つの特徴は、接触点からぬるぬる敵のふところに入ること。柔らかくて、ゆっくりで、ぬるぬる動くもの、なーんだ? tako.jpg 今後こんな感じをイメージすればいいのかな?突きが弱そうなところも私っぽいかもしれない。 人間には現実問題として骨も関節もあるので、数手先を読んでダメージを回避する賢さも必要だし、時に応じて猫のような敏捷性も必要なので、ただタコを目指せばすむ話ではない。合気なんかは感受性がなければ始まらない気がする。猫でも棋士でもあるセンシティブなタコ、さういふものに、わたしはなりたい。