弟子のSです

武術の稽古日誌

今日のお稽古

大塚にてマンツーマン30分+子供空手教室50分。

「研究的態度で臨まなければもう稽古しない」=「稽古は研究的態度で臨め」。

先日の師のブログに四か条(四教)の動画と、一つの原理から派生するアプローチの例が載っていたが、それらのいくつかを実際に稽古して見せていただいた。

四か条にも使われる、今日やった原理とは「腕をロックする」。相手の腕を、太極拳でいうところの「ポン」のかたちにしてやること。「ポン」は前腕部にひねりを加えて腕全体をひとつながりの弧にすること。ロックした腕は潰れにくいのでその特性をどう料理するかが頭の使いどころだ。

・表から入り込んで腕をロックして押し込んで後方に投げる、白桃会の基本技。ロックした腕を裏から抱え込んで前方に投げる「ロシアンタイ」。(→表・裏)

・ロシアンタイを相手が片側の腕をついて耐えた場合にどうするか。(→連携)

・双推手から腕をロックしてロシアンタイに入るには。(→戦略)

・自分の腕をロックして床を押さえ、前方に回転する前受け身。寝技で下になった状態でロックした自分の腕の上に相手を乗せて投げる。(→スタイル)

こう考えていくと、原理そのものには色がないというか両刃の剣というか、ロックした腕を有効利用することもできれば、つけ入られる危険もあることがわかる。ポンは攻略できるし攻略されうる。

空手では無限記号∞の形に体をループさせて動きながらの蹴りと横突き。やはりそこからだんだん派生させていった。今最も私とレベル的に拮抗していると師のいうMくん5歳が、師の教える内容を彼の言葉で私に説明するのを聞くのがおもしろい。

寝技ではひざ十字固めをやった。「腕をロックする」原理からの派生が腕十字固めだが、それを足に応用させたのがひざ十字固めと言える。そう考えると足首をコントロールしてひざをロックしてやるのがこの技のポイントだとわかる。ふむふむ。

終わって座学。

「先手・後手」について、後手有利と先手必勝とは矛盾しない、という興味深いお話を伺う。先手・後手とはあくまでも意識の内、水面下でのやりとりであって、ワンチャンスで生死を決するやりとりにおいて勝つのは当然(目に見える現象として)先手をとった側であること。

そう考えると「捨己従人」にしても、いつまでも人に従っていては埒が明きませんよね、と師に言うと、そうですね、最終的には「捨己従天」ですねと仰った。そうかー!とひざを叩いてすぐに、頭で感動してできた気になるのはご用心、と自分を戒める。

先日、たまには褒めてくださいと出過ぎたお願いを師にしたのを覚えていてくださったのか「全世界の中高年女性を一つの檻に入れて戦わせたらSさんは最後の3分の1に残ると思う」と言われた。