弟子のSです

武術の稽古日誌

近況

このところ同居の実母の日常生活にやや介助が必要になり、介護保険を申請したり居室を整えたり、しかるべき知識を仕入れたりしかるべき人に相談したりとせわしくしている。人を相手のことなので精一杯楽しくやっていきたいし、それができなきゃ今までの稽古は何だったのかということになるだろう。その気になれば、介護のある生活というのは、発見と出会いの機会にみちている。

実技では、目下、型稽古のためのオリジナルの型をつくるという課題に取り組んでいるところ。私独自の型をつくるというのは、ひとつには、母の見守りのため今後家にいる時間が長くなるだろう私が、道場を離れても稽古できるようにという師の配慮がある。

用事に追われていると頭(心・気持ち)が先行し、徒歩でも自転車でも、少しでも早く早くと前のめりの格好になりがち。だが歳をとればとるほど、頭でなく身体のペースで動くことが肝要になる。身体にできることが、つまりは「自分のできること」だからだ。

私の型は、情で煮立った頭を「心は自分ではない」とわからせて、「では自分とはなんなのか?」と武術の本来の問いに立ち返らせてくれるものにしたい。